革製品の用語『革』
革製品を知りたい
革製品の用語『革』について教えてください。
革製品の研究家
革とは、動物の皮を脱毛し、鞣して得られる製品のことです。鞣し革<がわ>、革<かく>ともいわれます。
革製品を知りたい
では、鞣していない生皮<なまかわ>はどうなるのでしょうか?
革製品の研究家
鞣していない生皮<なまかわ>は革とは区別されますが、両者を併せて皮革<ひかく>と称します。
革とは。
革製品の用語「革」とは、動物の皮を毛を取り除き、なめして作られる製品のことです。なめした革は、鞣し革や革とも呼ばれます。なめしていない生の皮は革とは区別されますが、両方を合わせて「皮革」と呼びます。毛皮は毛をつけたままなめしたもので、毛付きの原料皮も含めて広義には皮革に含まれます。
原料となる原皮は、牛、羊、ヤギ、馬、豚、鹿などの哺乳類のほか、ワニ、ヘビ、トカゲなどの爬虫類の革が使われますが、牛皮の使用量が最も多くなっています。
皮をなめすことにより、腐敗しにくく、柔軟性、耐熱性、吸湿性、耐水性、耐久性がある実用性に優れた革になります。なめし方法は、クロムなめし、植物タンニンなめし、油なめし、アルミニウムなめし(明ばんなめし)など多くの種類がありますが、クロムなめしが最も多いです。
それぞれ特有の性質を有しており、用途もそれを生かして、靴、甲革、底革、ハンドバッグ、かばん、手袋、革衣料、家具用など、日常生活に関係するものが非常に多くなっています。
国際標準化機構の国際規格(ISO規格)では、皮革を次のように定義しています。「動物の皮を、原皮を構成する線維構造をできるだけ損なわないよう化学的な処理でなめしたもの。毛が残っていてもよい。なめす前後に層状に加工したり、部分的に取り除いたりして製品を製造する場合があるが、なめした革を機械的あるいは化学的に繊維状、粒状、小片状、粉状に砕いてシート状などに加工したものは皮革と定義しない。表面塗装した革の場合、塗装膜の厚さは0.15mm以下でなければならない。」
日本エコレザー基準では、革の定義として、動物皮の皮膚断面構造を損なわずなめしが行われ、表面仕上げ膜厚が0.15mm(150μm)を超えないこと、かつ、断面構造の70%以上が革であることと規定しています。
革の種類と特徴
革製品をよく見かけると、革についても知りたくなることがあるでしょう。革の種類はとても多く、それぞれの特徴を持っています。革の種類と特徴を理解することで、革製品を選ぶ際の参考にもなるでしょう。革の種類としては、牛革、豚革、羊革、鹿革、馬革、山羊革などがあります。牛革はもっともポピュラーに使われている革の一種で、強度と耐久性に優れています。豚革は牛革よりも柔らかく、しなやかなのが特徴です。羊革は薄くて軽く、とても柔らかいのが特徴です。鹿革は柔らかく、伸縮性に優れています。馬革は丈夫で、耐久性に優れています。山羊革は薄くて強く、独特の風合いを持っています。
革の鞣し方
革製品の用語『革』
革の鞣し方
革の鞣し方には、主に以下の3つがあります。
・クロム鞣し
クロム鞣しは、クロム塩を使って革を鞣す方法です。クロム鞣しの革は、柔らかく、丈夫で、耐熱性や耐水性に優れています。
・タンニン鞣し
タンニン鞣しは、植物由来のタンニンを使って革を鞣す方法です。タンニン鞣しの革は、硬く、丈夫で、経年変化を楽しめるのが特徴です。
・コンビ鞣し
コンビ鞣しは、クロム鞣しとタンニン鞣しの両方を組み合わせた方法です。コンビ鞣しの革は、クロム鞣しの革の柔らかさとタンニン鞣しの革の耐久性を併せ持っています。
革の鞣し方は、革の用途によって使い分けられます。例えば、靴やバッグなどの革製品にはクロム鞣しの革が、ソファや椅子などの家具にはタンニン鞣しの革がよく使われます。
革の用途
革の用途は、その多様さにあります。革は、非常に丈夫で摩耗に耐性があるため、靴、鞄、服、家具、車の内装、馬具、野球グローブ、そして医療機器に至るまで、さまざまな製品に使用されています。
革は、その柔軟性と通気性から、衣類や靴に最適です。また、傷や汚れに強く、耐久性があるため、多くの場合、家具や車の内装に使用されます。革は、弾力性があり、衝撃を吸収できるため、馬具や野球グローブの製造にも欠かせない素材です。さらに、革は、体にフィットし、心地よい肌触りであるため、医療機器に使用されることもあります。
このように、革の用途は非常に幅広く、私たちの生活に欠かせない素材となっています。
革製品のケア方法
革製品のケア方法
革製品を長く美しく使用するためには、日頃のお手入れが大切です。まずは、日頃から汚れを落とすようにしましょう。汚れは、水拭きで落とすことができます。ただし、強くこすりすぎると革を傷めてしまうので、注意が必要です。また、革製品は水分に弱いので、濡れた場合はすぐに乾かすようにしましょう。濡れたまま放置しておくと、カビが生えてしまうことがあります。
革製品を使用しないときは、風通しの良い場所で保管しましょう。直射日光や高温多湿の場所は避けてください。また、革製品を保管する際は、他のものと擦れないように注意しましょう。擦れると、革が傷ついてしまうことがあります。
革製品は、定期的にメンテナンスを行うことで、長く美しく使用することができます。メンテナンスは、革製品専用のクリーナーやコンディショナーを使用します。クリーナーは、汚れを落とし、コンディショナーは、革を保護します。
革製品は、正しいケア方法を行うことで、長く美しく使用することができます。
革の歴史
革の歴史は、人類の歴史とほぼ同じくらい古いと言われています。 革は、動物の皮をなめして加工したもので、衣類、靴、鞄などの様々な製品に使用されています。 革の歴史は、人類が狩猟採集生活をしていた時代にまで遡ります。 狩猟採集民は、動物の皮を衣服やテントに使用していました。 その後、農耕が発展すると、動物の皮は農具や家畜の飼育にも使用されるようになりました。
やがて、人は革をなめす技術を開発しました。 なめすことは、動物の皮を柔らかくし、腐敗を防ぐために必要な工程です。 最初になめしが行われたのは、紀元前8000年頃とされています。 なめしの方法は、地域によって異なっていましたが、一般的には、動物の皮を水と石灰で処理し、その後、植物の油脂や動物の脂肪で処理していました。
革なめしの技術が発展するにつれて、革製品の種類も増えていきました。 紀元前3000年頃には、革製の甲冑や盾が作られるようになりました。 また、紀元前2000年頃には、革製の靴や鞄が作られるようになりました。 革製品は、次第に人々の生活に欠かせないものとなっていきました。
中世には、革製品がさらに発展しました。 この時代、革製品は、主に貴族や騎士階級の人々によって使用されていました。 革製の甲冑や盾は、戦場で兵士を保護するために使用され、革製の靴や鞄は、旅や狩猟の際に使用されていました。
近世になると、革製品は庶民の間にも普及するようになりました。 この時代、革製品は、衣服、靴、鞄などの様々な製品に使用されていました。 また、革製の家具や装飾品も作られるようになりました。 革製品は、人々の生活をより豊かにするために欠かせないものとなっていきました。