革製品の用語「花緒革、鼻緒革」
革製品を知りたい
花緒革と鼻緒革の違いって何ですか?
革製品の研究家
現在では、花緒革と鼻緒革の区別がなく、どちらも鼻緒または花緒と呼ばれています。
革製品を知りたい
では、花緒革と鼻緒革の違いはなんだったのですか?
革製品の研究家
花緒革は甲に当たる緒、鼻緒革は足の親指と人差し指の間に挟む緒を指していました。
花緒革、鼻緒革とは。
履物における「花緒革、鼻緒革」とは、草履、雪駄、下駄などの開放型履物において、甲にかかる部分を「花緒」、足の親指と人差し指の間に挟む部分を「鼻緒」と呼びます。
しかし、現在では両者が一体化されているため、区別なく「鼻緒」または「花緒」と呼ばれています。
履物の種類にもよりますが、花緒の主な素材は、わら、布、革です。なかでも革は耐久性に優れているため、古くから多く用いられてきました。
使用されている革は、ヘビ革、牛革、鹿革が一般的です。また、八幡黒や菖蒲革などの鹿革も用いられてきました。
花緒と鼻緒の違い
革製品の用語「花緒(はなお)革、鼻緒(はなお)革」
「花緒」と「鼻緒」は、履物の名称として使用されることが多く、ともに足に履く履物の鼻部分、または足首部分に使用される革のことを指します。しかし、両者には微妙な違いがあります。
花緒は、履物の鼻部分、または足首部分に使用される革帯を指します。履物の前に結んだり、編み上げたりすることで、履物を足に固定する役割を果たします。草履や下駄、雪駄などの履物に使用されることが多く、鼻緒革とも呼ばれます。
鼻緒は、履物の鼻部分にのみ使用される革帯を指します。鼻緒は、履物の先端部分に穴を開けて通され、履く際に足指で押さえることで履物を足に固定する役割を果たします。下駄や雪駄などの履物に使用されることが多いですが、サンダルやスリッパなどの履物に使用されることもあります。
花緒と鼻緒は、履物の構造や固定方法が異なるため、使用する革の種類や厚みも異なります。花緒は、鼻緒よりも幅が広く、厚みのある革を使用していることが多く、鼻緒は、花緒よりも幅が狭く、薄手の革を使用していることが多いです。
履物の種類による花緒の素材
履物の種類による花緒の素材
花緒の素材は、履物の種類によって異なります。 草履の場合、花緒は主に麻や綿などの植物繊維で作られています。鼻緒は主に皮革で作られています。皮革は耐久性と柔軟性に優れ、履き心地が良いのが特徴です。下駄の場合、花緒は主に皮革で作られています。皮革は耐久性と柔軟性に優れ、履き心地が良いのが特徴です。鼻緒は主に木や竹で作られています。木や竹は軽量で通気性に優れ、夏場でも快適に履くことができます。雪駄の場合、花緒は主に皮革や麻で作られています。皮革は耐久性と柔軟性に優れ、履き心地が良いのが特徴です。麻は吸湿性と速乾性に優れ、夏場でも快適に履くことができます。
消耗の大きさからいって耐久性をもつ革が多く使用された
革製品の用語「花緒革、鼻緒革」
装飾性が必要な部分である花緒、鼻緒に用いられた革は、耐久性がある革が採用されました。鼻緒は、その構造上、常に折り曲げられる箇所に当たることになり、革の繊維が切れやすくなります。また、花緒や鼻緒は比較的薄手に作ってあることも多いので、消耗しやすい傾向があります。このため、花緒革、鼻緒革には、消耗の大きさに耐えられる耐久性を持つ革が選ばれてきました。
例えば、伝統的な鼻緒革としては、鹿革が挙げられます。鹿革は、薄くてしなやかで、耐久性に優れています。また、牛革や馬革も、花緒や鼻緒に使用されることが多くあります。牛革は強靭で耐久性に優れ、馬革は薄くてしなやかです。これらの革は、いずれも花緒や鼻緒に適した特性を持っています。
使用革はヘビ革、牛革、鹿革が多く用いられ
革製品を構成するパーツの種類には、花緒革や鼻緒革があります。花緒革は、鼻緒を通す部分が立体的に丸く加工されている帯状の革を指します。鼻緒革とは、花緒革に通した鼻緒の両端を、つま先側と踵側の履きものに固定するための革部品を意味します。これらのパーツに用いられる革素材は、ヘビ革、牛革、鹿革が一般的です。
八幡黒、菖蒲革などの鹿革も用いられた
八幡黒、菖蒲革などの鹿革も用いられた
花緒革や鼻緒革に使用される革の材料は多岐にわたり、一般的な牛革、馬革だけではなく、鹿革も用いられる。鹿革は柔軟性に優れ、耐久性も高く、また水に強いという特徴を持つ。このため、履物を長期間にわたって使用することができ、水辺での使用にも適している。鹿革を用いた花緒革や鼻緒革は、その特徴を生かして、特に地下足袋や水辺での作業用の履物によく使用されている。また、八幡黒や菖蒲革などの鹿革は、その独特な風合いから、高級感のある花緒革や鼻緒革としても人気がある。