【革の豆知識】バルブレザーとは

【革の豆知識】バルブレザーとは

バルブレザーとは？

-バルブレザーとは？-

バルブレザーとは、イタリアの南側にあるカンパーニア州にある『ソロフラ』という地域で生産された、油を塗りこんで独特の色を出した牛革のことです。バルブレザーはなめし革の加工工程で丁寧に仕上げることで、独特な艶、しなやかさ、耐久性を実現しています。ソロフラでは古くからなめし皮の加工が行われており、今ではこの町を代表する産業の一つとなっています。

バルブレザーの特徴

バルブレザーの特徴は、風合い・価格・ケア方法など、他のレザーとは大きく異なります。

バルブレザーの特徴である、オイルを染み込ませた風合いは、まるで高級感のあるベルベットのような触り心地で、長く使うほどに愛着がわいてきます。
また、財布や手袋、時計のベルトなど、さまざまなアイテムに使用されていましたが、特にカバンやジャケットなどに使われることが多いことから、パイロット用フライトジャケットの代名詞にもなっています。
現在では、ミリタリージャケットや、バイカーズジャケット、ライダースジャケットなど、ファッションアイテムとしても幅広いシーンで使用されています。

さらに、バルブレザーは、お手入れ次第で何十年も使い続けることが可能なため、長く愛用したい方には最適なレザーと言えるでしょう。

バルブレザーの用途

バルブレザーの用途

バルブレザーは、その耐久性と耐熱性から、主に産業用として使用されています。具体的には、バルブのシール材、ポンプのシール材、パッキン、ガスケット、ホース、ベルト、コンベヤーベルトなど、さまざまな用途に使用されています。また、バルブレザーは、耐油性にも優れているため、自動車や航空機などの産業機械の部品としても使用されています。

バルブレザーの製法

バルブレザーとは、その名の通り、バルブの有無によって革の表面を加工したもので、革の表面に細かいバツをつけたものです。バルブレザーは、牛革と豚革が原料となり、タンニン革なめの後に機械を使って革の表面に小さな傷をつける加工を施しています。傷をつけることで、革の表面に傷の跡が残るため、革がより柔らかく、しなやかな質感が生まれます。バルブレザーの製法は、まず、革の表面を水に浸し、柔らかくします。その後、機械を使って革の表面を傷つけ、傷の跡が残るようにします。傷をつける機械には、ローラー型、ハンマー型、ブレード型などがあり、それぞれの機械によって異なる傷の跡をつけることができます。傷をつける作業が終わったら、革を乾燥させ、仕上げ剤を塗って完成です。

バルブレザーの製法は、とても手間がかかりますが、その分、革に独特の風合いと質感を与えることができます。また、バルブレザーは、傷がつきにくく、汚れが落ちやすいという特徴があり、お手入れがしやすい革でもあります。そのため、バルブレザーは、バッグや財布、靴、ソファなど、さまざまな製品に使用されています。

バルブレザーのメリットとデメリット

バルブレザーのメリットとデメリット

バルブレザーには、多くのメリットとデメリットがあります。メリットとして、バルブレザーは耐久性が高く、長持ちします。これは、バルブ素材の強度と、加工過程で作られた硬化層によるものです。そのため、バルブレザーは、他の種類の革よりも摩耗や傷に強く、日常の使用に適しています。また、バルブレザーは耐水性にも優れています。これは、革に防水加工が施されているためで、雨や雪の日でも安心して使用することができます。

一方で、バルブレザーは、他の種類の革よりも硬いというデメリットがあります。そのため、バルブレザーは、折り曲げたり、曲げたりすることが難しく、使い始めは履き心地が悪いと感じるかもしれません。また、バルブレザーは、他の種類の革よりも重いというデメリットもあります。そのため、長時間着用していると、足が疲れてしまうかもしれません。