革製品の吸水度とは何を示すのか?
革製品を知りたい
先生、『革製品の用語』で『吸水度』っていう言葉の意味を教えて下さい。
革製品の研究家
『吸水度』とは、革の吸水能力を示す尺度のひとつです。革を一定時間、水中に静置して、革表面および断面から吸収された水の量を革重量に対する増加率で表したものです。
革製品を知りたい
なるほど、革が水を吸収する量のことですね。でも、なぜ『吸水度』を測る必要があるんですか?
革製品の研究家
『吸水度』を測ることで、革の疎水性を評価することができます。革繊維表面の疎水性が高いほど、『吸水度』は低くなります。また『吸水度』は、革の加工や仕上げにも影響を与える重要な要素です。
吸水度とは。
革製品の用語「吸水率」とは、革の吸水能力を示す指標です。革を特定の条件下で水に浸したり触れさせたりしたとき、吸収された水の量で表されます。日本では、JIS K 6550:1994で規定されています。
吸水率の測定方法は、革の表面だけでなく、断面からの吸水も考慮したものです。一定時間、水中に試験片を静置し、革の表面と断面からの吸水量を革の重量に対する増加率で示します。吸水率を測定する方法には、吸収された水の量を容量で測定する「容量法」と、重量で測定する「重量法」の2つがあります。容量法は、吸水度測定装置(クベルカの装置)を用いて測定します。国際標準化機構(ISO)では、ISO 2417:2002 (IULTCS/IUP7)で容量法のみが規定されています。
革繊維の表面の疎水性が高くなるほど、吸水性は低下します。そのため、吸水率を測定することで、革の疎水性を評価することができます。
革製品の吸水度とは
革製品の吸水度とは、革が水分を吸収する割合を示す指標です。吸水度が高いほど、革は水分を多く吸収し、低いほど水分を吸収しません。革の吸水度は、 革の種類、鞣し方法、仕上げ方法によって異なります。一般的に、植物タンニンで鞣された革は、クロムタンニンで鞣された革よりも吸水度が高い傾向があります。また、ヌメ革は、顔料仕上げの革よりも吸水度が高い傾向にあります。
革製品の吸水度は、耐久性や防水性、メンテナンス性など、革製品の品質に影響を与える重要な要素です。吸水度が高い革は、水分を多く吸収するため、耐久性が低く、カビや細菌が発生しやすくなります。逆に、吸水度が低い革は、水分を吸収しにくいため、耐久性が高く、カビや細菌が発生しにくいといえます。また、吸水度が高い革は、水分を多く吸収するため、メンテナンスが大変になりがちです。逆に、吸水度が低い革は、水分を吸収しにくいため、メンテナンスが楽になります。
革製品の吸水度を測定する方法
-革製品の吸水度を測定する方法-
革製品の吸水度は、革が水分をどの程度吸収できるかを示す指標です。革製品の吸水度は、革の種類、なめし方法、仕上げ方法などによって異なります。 一般的に、吸水性の高い革は柔らかくしなやかで、吸水性の低い革は硬く丈夫です。
革製品の吸水度を測定する方法には、JIS規格(日本工業規格)で定められた方法と、革製品メーカー独自の方法などがあります。JIS規格で定められた吸水度の測定方法は、以下の通りです。
1. 革製品を24時間水に浸す。
2. 24時間後、革製品を取り出して表面の水気を拭き取る。
3. 革製品を60℃のオーブンで乾燥させる。
4. 革製品の乾燥前と乾燥後の重量を測定する。
5. 革製品の吸水度は、乾燥前後の重量の差を乾燥前の重量で割った値で求める。
革製品メーカー独自の吸水度の測定方法は、JIS規格で定められた方法とは異なる場合があります。しかし、いずれの方法で測定しても、革製品の吸水度を比較することは可能です。
革製品の吸水度に影響を与える要因
革製品の吸水度とは何を示すのか?
革製品の吸水度とは、革がどれだけの水分を吸収できるかを表した数値です。一般的に、吸水度が高いほど、革は水を吸いやすく、吸水度が低いほど、革は水を吸いにくくなります。革製品の吸水度は、革の鞣し方や仕上げ方によって異なり、また、革の部位によっても異なります。例えば、牛革の表面層である銀面は、吸水度が低く、裏面である床面は、吸水度が高い傾向にあります。
革製品の吸水度に影響を与える要因
革製品の吸水度は、いくつかの要因によって影響を受けます。
* 革の鞣し方
革の鞣し方には、大きく分けて、植物性タンニン鞣し、クロム鞣し、コンビ鞣しの3種類があります。植物性タンニン鞣しは、天然のタンニンを使って革を鞣す方法で、革の吸水度は低くなります。クロム鞣しは、クロム塩を使って革を鞣す方法で、革の吸水度は高くなります。コンビ鞣しは、植物性タンニン鞣しとクロム鞣しの両方を組み合わせた方法で、革の吸水度は、植物性タンニン鞣しとクロム鞣しの間になります。
* 革の仕上げ方
革の仕上げ方には、大きく分けて、アニリン仕上げ、セミアニリン仕上げ、ピグメント仕上げの3種類があります。アニリン仕上げは、革の表面を染料で染めただけの仕上げ方で、革の吸水度は高くなります。セミアニリン仕上げは、革の表面を顔料と染料で染めた仕上げ方で、革の吸水度はアニリン仕上げよりも低くなります。ピグメント仕上げは、革の表面を顔料で覆った仕上げ方で、革の吸水度は最も低くなります。
* 革の部位
革製品の吸水度は、革の部位によっても異なります。牛革の場合、表面層である銀面は、吸水度が低く、裏面である床面は、吸水度が高い傾向にあります。また、同じ部位でも、革の厚さによって吸水度が異なります。
革製品の吸水度と品質の関係
革製品の吸水度と品質の関係
革製品の品質は、革の吸水度によって大きく左右されます。吸水度の高い革製品は、水や汚れを吸いやすく、シミやカビが発生しやすいという欠点があります。また、吸水度の高い革製品は、耐久性が低く、すぐに傷んでしまうことが多いです。
一方で、吸水度の低い革製品は、水や汚れを吸いにくく、シミやカビが発生しにくいというメリットがあります。また、吸水度の低い革製品は、耐久性が高く、長持ちします。
一般的に、革製品の吸水度は、革の厚さによって決まります。革が厚いほど、吸水度は低くなります。また、革のなめし方法によっても、吸水度は変化します。クロムなめし革は、吸水度が低く、タンニンなめし革は、吸水度が高い傾向があります。
革製品を購入する際には、吸水度を考慮することが大切です。水や汚れを吸いやすい環境で使用される革製品は、吸水度の低い革製品を選ぶようにしましょう。
革製品の吸水度を調整する方法
革製品の吸水度とは、文字通り革が水分を吸収する度合いのことです。革の吸水度は、革の構造やなめし方によって異なります。一般的に、クロムなめしの革は、タンニンなめしの革よりも吸水度が低いです。また、革の厚さも吸水度に影響します。厚い革は、薄い革よりも吸水度が低いです。
革製品の吸水度は、使用用途によって調整することが大切です。例えば、靴やバッグなどの革製品は、吸水度が低い方が汚れにくく、耐久性が高いです。一方、ソファーや椅子などの革製品は、吸水度が高い方が柔らかく、肌触りが良いという特徴があります。
革製品の吸水度を調整するには、革に撥水剤を塗布するのが一般的です。撥水剤は、革の表面に撥水膜を形成することで、水分を弾き、革製品を汚れから守ります。撥水剤は、市販されているものを購入して使用することができます。また、革の表面にワックスを塗布することも、吸水度を調整するのに効果的です。ワックスは、革の表面に皮膜を形成することで、水分を弾き、革製品を汚れから守ります。ワックスは、市販されているものを購入して使用することができます。
革製品の吸水度は、革の構造やなめし方、厚さによって異なります。革製品の吸水度は、使用用途によって調整することが大切です。