革製品の用語『表面加脂』の解説

革製品の用語『表面加脂』の解説

表面加脂とは

表面加脂とは、皮革の表面に潤滑剤を塗布して、革の柔軟性や耐久性を高める加工のことです。潤滑剤としては、動物性脂肪、植物性オイル、鉱物油などが使用されます。表面加脂は、皮革製品の風合いを損なわずに、耐摩耗性や防水性を向上させることができるため、靴、バッグ、財布などのさまざまな革製品に使用されています。

表面加脂の方法は、皮革の表面に潤滑剤を塗り込んでいくだけのシンプルなものです。しかし、潤滑剤の種類や塗り込みの量、塗り込み方によって、皮革の風合いや性能が変化します。そのため、表面加脂は、熟練した職人が手作業で行うのが一般的です。

表面加脂は、皮革製品を長く愛用するためには欠かせない加工です。表面加脂を定期的に行うことで、革の柔軟性や耐久性を維持し、美しい風合いを保つことができます。

表面加脂の目的

-表面加脂の目的-

革製品の表面加脂とは、革の表面に脂分やワックスを塗布して、革本来の美しさと風合いを損なうことなく、革を保護する加工のことです。 表面加脂の目的は、革を防水や防汚性のあるものにし、耐久性を高めることです。また、革の表面に光沢を与え、美しい質感を演出する効果もあります。加脂剤には、牛脂、豚脂、蜜蝋、ワックス、油、エマルション、シリコンなど、さまざまな種類があります。加脂方法は、手で加脂する方法と機械で加脂する方法があります。手で加脂する場合は、加脂剤を塗布した後、布で革の表面を磨き上げます。機械で加脂する場合は、加脂剤をスプレーで革の表面に吹き付けます。表面加脂は、革製品の製造工程の最後に行われることが多いです。

表面加脂のメリット

表面加脂のメリットは、革のしなやかさと耐久性を向上させることです。革は、コラーゲン繊維とエラスチン繊維を主成分とする天然素材です。コラーゲン繊維は、革の強度と弾力性を、エラスチン繊維は、革のしなやかさと伸縮性を担っています。表面加脂を行うことで、革に油分やワックスが浸透し、コラーゲン繊維とエラスチン繊維を保護することができます。これにより、革の強度、弾力性、しなやかさ、伸縮性を向上させることができます。また、表面加脂を行うことで、革の防水性や防汚性を向上させることができます。油分やワックスが革の表面に膜を形成することで、水や汚れが革に浸透するのを防ぎます。

表面加脂のデメリット

-表面加脂のデメリット-

表面加脂は、革の表面に脂分を塗布して光沢や防水性を高める加工法ですが、デメリットもあります。

まず、表面加脂を施した革は、水分を吸収しにくいため、通気性が悪く、ムレやすくなります。また、脂分が酸化すると、革が硬化したり、ひび割れたりすることがあります。さらに、表面加脂を施した革は、油汚れやホコリなどが付着しやすいため、お手入れが大変になります。

表面加脂は、革の風合いや耐久性を高める加工法ですが、デメリットも理解した上で、使用することが大切です。

表面加脂を行う革の種類

表面加脂を行う革の種類

革製品に使用される革は、動物の種類や鞣し方法によってさまざまな種類があります。表面加脂を行う革は、主に牛革、馬革、豚革、山羊革などの動物の皮を原料として作られる革です。これらの革は、柔軟性と耐久性があり、革製品の製造に適しています。

牛革は、革製品に使用される革の中で最も一般的です。牛革は、柔らかくしなやかで、耐久性があるため、靴、バッグ、ジャケット、財布など、さまざまな革製品に使用されています。馬革は、牛革よりも硬く丈夫な革です。馬革は、ブーツ、財布、ブリーフケースなど、耐久性を重視する革製品に使用されます。豚革は、牛革や馬革よりも軽く、柔らかい革です。豚革は、手袋、財布、小銭入れなど、軽量で柔軟性が求められる革製品に使用されます。山羊革は、牛革や馬革よりも薄く、柔らかい革です。山羊革は、革手袋、財布、手帳カバーなど、薄さと柔らかさが求められる革製品に使用されます。

表面加脂を行う革の種類は、動物の種類や鞣し方法によってさまざまです。表面加脂を行う革には、牛革、馬革、豚革、山羊革などがあります。これらの革は、柔軟性と耐久性があり、革製品の製造に適しています。