
革製品の用語『不けん化物』とは?
不けん化物とは、けん化反応を起こさない物質群の総称です。不けん化物には、脂肪酸のグリセリルエステルであるトリグリセリドやステロール類、ビタミン類などが含まれます。不けん化物の中には、グリセリン溶媒が水に溶けにくい性質を利用して、保湿剤や乳化剤として化粧品や入浴剤などに配合されているものもあります。また、不けん化物は石鹸の原料としても使用されています。石鹸の主成分である脂肪酸ナトリウムは、油脂と水酸化ナトリウムを反応させることによって生成されます。この反応の際に生じる生成物が不けん化物です。不けん化物は石鹸の品質を左右する重要な成分であり、石鹸に滑らかさや洗浄力などの特徴を与えます。