革製品用語『中和』のすべて

革製品用語『中和』のすべて

革製品を知りたい

先生、革製品の用語で『中和』ってどういう意味ですか?

革製品の研究家

中和とは、革をクロム鞣しした後、その強い酸性を緩和する作業のことです。染色や再鞣、加脂の準備作業として行われます。

革製品を知りたい

なるほど、クロム鞣しした革の強い酸性を緩和するんですね。具体的には、どういう手順で行うんですか?

革製品の研究家

通常、クロム鞣し後の革の pH は 3~4 で、多量の酸を含んでいます。この正電荷を緩和するために、シェービング後の革にその重量の 1~2%程度の比較的温和なアルカリ性の塩を中和剤として用います。中和剤を添加した浴中で処理すると、革の pH は 4~5 に上昇します。

中和とは。

革製品の用語である「中和」とは、一般的に酸性またはアルカリ性の性質を緩和して中性に近づけることです。革の場合、クロム鞣しによって強い酸性を示す革を緩和する作業を指すことが多いです。中和は、染色や再鞣し、加脂の準備作業として行われます。

通常、クロム鞣し後の革のpHは3~4で、多量の酸を含んでいます。これにより、革繊維の正電荷が非常に強くなっています。この正電荷を緩和するために、シェービング後の革に、その重量の1~2%程度の比較的温和なアルカリ性の塩を中和剤として使用します。中和剤を添加した浴槽中で処理すると、革のpHは4~5に上昇します。

中和剤としては、塩類のほかに、中性の合成タンニン(芳香族スルホン酸塩)などの革との親和性の良い電解質も効果があります。中和によってクロム革はアニオン性の染料、鞣し剤、加脂剤との反応が緩和になり、これらの薬剤は革組織の内部への浸透が深く、均一になります。

中和の操作は、一定量の浴と革をドラムの中で回転させて撹拌しながら実施します。

中和とは何か

中和とは何か

中和とは何か
中和とは、皮革製品の製造工程において、鞣し剤を中和させる作業のことです。鞣し剤は、皮革に柔軟性や強さ、耐久性を与えるための薬品ですが、そのままでは酸性またはアルカリ性のため、皮革を傷めてしまいます。そこで、中和剤を使用して鞣し剤を中和し、皮革に適したpH値に調整する必要があります。中和剤には、重曹や炭酸曹達、水酸化ナトリウムなど様々な種類があり、皮革の種類や状態に合わせて使い分けられます。中和作業は、皮革を水に浸し、中和剤を加えて混ぜ合わせることで行われます。中和剤の濃度や浸漬時間は、皮革の種類や状態によって異なります。中和作業が完了すると、皮革はすすぎ洗いされ、乾燥されます。中和作業は、皮革製品の品質を左右する重要な工程であり、熟練した職人によって行われます。

中和の目的

中和の目的

革製品用語『中和』のすべて

革製品用語の「中和」とは、皮革の製造工程において、なめし工程の後に行われる工程の一つです。なめし工程では、動物の皮を化学薬品や植物のタンニンなどで処理して、腐敗しにくく、しなやかで耐久性のある革へと変化させます。このなめし工程の後、革にはアルカリ性の物質が残っています。このアルカリ性を中和し、革を中性にするために、中和工程が行われます。

中和工程では、革を酸性の溶液に浸したり、酸性の薬剤を塗布したりして、革のアルカリ性を中和させます。中和させることで、革の品質が向上し、柔軟性や耐久性が向上します。また、中和することで、革の臭いを軽減したり、色落ちを防いだりする効果もあります。

中和剤の種類

中和剤の種類

中和剤の種類

中和剤には、アルカリ性中和剤と酸性中和剤の2種類があります。アルカリ性中和剤は、皮革の酸性を中和して、硬くなったり変色したりするのを防ぐ効果があります。酸性中和剤は、皮革のアルカリ性を中和して、柔らかさを保ち、変色を防ぐ効果があります。

アルカリ性中和剤の代表的なものは、重曹(炭酸水素ナトリウム)です。重曹は、水に溶かして使用します。酸性中和剤の代表的なものは、酢(酢酸)です。酢は、水で薄めて使用します。他にも、中和剤として使用できるものはたくさんあります。皮革の種類や状態に合わせて、適切な中和剤を選択することが大切です。

中和の方法

中和の方法

中和の方法

革製品の中和は、中和剤を使用して革を中性に戻すことです。中和剤には、重曹や酢などがあり、重曹はアルカリ性の中和剤、酢は酸性の中和剤です。革製品の種類や状態によって、適切な中和剤を選択する必要があります。

重曹を使う場合、重曹と水を11の割合で混ぜてペースト状にし、革製品に塗布します。30分程度放置したら、水で洗い流します。酢を使う場合、酢と水を11の割合で混ぜた液に革製品を浸します。30分程度放置したら、水で洗い流します。

中和後は、革製品を乾燥させます。乾燥させる際は、直射日光や高温を避けて、陰干しします。革製品が完全に乾燥したら、仕上げに革用クリームを塗布します。革用クリームは、革製品の表面に保護膜を形成し、革の劣化を防ぎます。

中和の効果

中和の効果

中和の効果

中和とは、革製品をより柔らかく、しなやかに仕上げるための重要な工程です。革を中和することで、革が酸性またはアルカリ性にならないようにします。革が酸性またはアルカリ性になると、革が硬くなり、ひび割れやすくなります。中和は、革のpH値を中性にすることで、革を柔らかく、しなやかに保つことができます。また、中和は革の色を保ち、変色を防ぐ効果もあります。中和は、革製品を長持ちさせるために欠かせない工程です。

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