革製品における戻しとは?
革製品を知りたい
革製品の用語『戻し(脱灰又はべ一チングの作業のことをいう語。水戻しのことをいう。)』について教えてください。
革製品の研究家
革製品の用語「戻し」は、主に2つの意味で使われます。
革製品を知りたい
2つの意味とは何ですか?
革製品の研究家
1つは、脱灰またはベイチングの作業のことです。もう1つは、水戻しのことです。
戻しとは。
「革製品の用語『戻し』とは、脱灰またはベイチングと呼ばれる工程のことを指します。この工程は、水で革を戻すことで行われます。革は、製造工程でアルカリ溶液に浸されることで硬化しています。この硬化した革を水に戻すことで、元に戻す工程です。」
戻しの意味
革製品における戻しとは、革を一度柔らかくした後、再び硬くする工程のことです。戻しを行うことで、革の風合いを損なわずに、強度を高めたり、シワを減らしたりすることが可能になります。
戻しの工程は、革を水に浸したり、機械で揉んだりすることで行われます。革の硬さや風合いによって、戻しの工程は異なります。戻しを行うことで、革の耐久性や耐水性も高めることができます。
戻しの歴史
革製品における戻しとは?
戻しの歴史
戻しとは、皮革のなめし工程において、革を柔らかくするために加える加工のことです。戻しの歴史は古く、古代エジプト時代にはすでに革を柔らかくする加工が行われていたことが分かっています。古代エジプトでは、皮革を水に浸し、石鹸や油を加えて柔らかくしていました。
古代ローマ時代には、皮革を硫酸で処理する戻しが行われていました。硫酸は強力な酸であり、皮革を傷める可能性が高いため、慎重な作業が必要でした。
中世ヨーロッパでは、皮革を尿に浸す戻しが行われていました。尿にはアンモニアが含まれており、これが皮革を柔らかくする働きをします。しかし、尿を使用する戻しは、臭いが強く、作業環境が劣悪でした。
19世紀になると、化学薬品を用いた戻しが開発されました。化学薬品を用いる戻しは、尿を使用する戻しに比べて臭いが少なく、作業環境も改善されました。
現在では、革製品のほとんどが化学薬品を用いた戻しによって作られています。化学薬品を用いた戻しは、尿を使用する戻しに比べて効率的で、品質も安定しています。
戻しの方法
戻しの方法
革製品の戻しには、主に2つの方法があります。
1つ目は、水で戻す方法です。この方法は、革製品が水に濡れてしまった場合や、長く放置して乾燥して硬くなってしまった場合などに行います。やり方は、革製品全体を水に浸してしばらく放置し、その後、水気を拭き取って陰干しします。この時、革製品を直接日光に当てると、変色したり、ひび割れを起こしたりすることがあるので注意が必要です。
2つ目は、専用の革製品用クリームやスプレーで戻す方法です。この方法は、革製品が乾燥してきた場合や、汚れを落とした後などに行います。やり方は、革製品全体にクリームやスプレーを塗布して、その後、乾いた布で拭き上げます。この時、クリームやスプレーは革製品の種類や状態に合わせて選ぶ必要があります。
戻しの種類
-戻しの種類-
戻しには、大きく分けて3つの種類があります。それは、手もみ戻し、機械戻し、撥水加工です。手もみ戻しは、革職人が手作業で革を揉み込み、柔らかくする伝統的な方法です。機械戻しは、機械を使って革を揉み込み、柔らかくする近代的な方法です。撥水加工は、革に撥水剤を塗布して、雨や雪を弾くようにする加工方法です。
手もみ戻しは、機械戻しよりも手間がかかりますが、よりきめ細やかな戻しが可能で、革の風合いを損ないにくいという特徴があります。また、革職人の技量の差が出やすいので、高品質な革製品を求める人には手もみ戻しがおすすめです。機械戻しは、手もみ戻しよりも早く、大量生産が可能という特徴があります。そのため、安価な革製品には機械戻しが採用されることが多いです。撥水加工は、革を雨や雪から守るために施される加工方法です。撥水加工を施すと、革が水を弾きやすくなるので、雨の日でも安心して革製品を使用することができます。
戻しの注意点
革製品における戻しとは?
戻しの注意点
本来の形に戻すために、革製品を水に浸したり、濡れた布で拭いたりする行為を「戻し」と呼びます。革製品にシワができたり、型崩れしたりしたときに、元の状態に戻す方法として行われます。
しかし、革製品を戻すときには、いくつか注意すべき点があります。戻しの際に使用する水が熱すぎると、革が縮んでしまう可能性があります。また、戻した革製品を直射日光に当てると、革が硬化したり、色あせたりすることがあります。さらに、革製品を戻した後、すぐに使用すると、革が伸びて型崩れしてしまうことがあります。
そのため、戻した革製品は、陰干しで自然乾燥させてから使用しましょう。また、革製品を戻すときには、革の種類や状態に合わせて適切な方法で行うことが大切です。