革製品の用語『印伝』の歴史と特徴
革製品を知りたい
先生、『印伝』って聞いたことありますか?
革製品の研究家
もちろんあるよ。革製品の一種で、鹿革を鞣して作られるんだよ。
革製品を知りたい
なるほど。では、『印伝』の製品はどんなものがあるのでしょうか?
革製品の研究家
印伝製品には、財布、バッグ、小物入れなど、さまざまなものがあるよ。特に、甲州印伝は伝統工芸品にも指定されているほど、質が高いことで知られているよ。
印伝とは。
「印伝」とは、鹿革をなめして作られる革製品のことです。印伝革を用いて作られた製品は、印伝、もしくは甲州印伝と呼ばれます。印伝の起源は戦国時代にまでさかのぼります。当時、南方から従来の国内産とは異なる高級皮革が輸入され、その影響を受けて江戸時代に技術開発が進み、印伝と称する鹿革製品が創出されたものと考えられています。印伝という名称は、「インデヤ」の変化したものか、インド伝来の言葉に由来すると言われています。
印伝という製品は、日本各地で作られており、さらに他素材の品物もありました。しかし、その頂点として甲州印伝が残ってきました。現在では奈良県でも作られていますが、甲州印伝は昭和62年(1987年)に通産省から「伝統的工芸品」指定を受けています。
なお、江戸時代からの印伝革を用いた様々な製品や技術は、山梨県甲府市印傳屋上原勇七に併設された印傳博物館で見ることができます。
印伝の起源
印伝の起源は定かではありませんが、平安時代にはすでに存在していたと言われています。印伝は、鹿革に漆を塗り、模様を描いた革製品であり、その独特の風合いから、古くから武士や僧侶に愛用されてきました。インドネシアのジャワ島あたりから伝わった「鹿革に漆を塗る」という革加工の技術が、日本の革加工技術と融合して、印伝が生み出されたと考えられています。
印伝の名称の由来
-# 印伝の名称の由来
印伝とは、鹿革に漆や柿渋で模様を施した革製品のことです。 その歴史は古く、平安時代にはすでに存在していたと言われています。印伝の名称の由来には諸説ありますが、そのうちの1つは「インド伝来」であるという説です。平安時代、インドから日本に伝わったとされる「印伝」という布があり、これが印伝の名称の由来となったのではないかと言われています。
印伝という布は、藍染めで柄を施した木綿布のことです。この布は、丈夫で長持ちするため、武士の鎧や陣幕に使われていました。また、印伝は魔除けの効果があると信じられていたため、厄除けのお守りとしても使われていました。
印伝という布は、日本では江戸時代まで盛んに生産されていましたが、その後、生産量が減少しました。しかし、近年、印伝の伝統技術を復活させようという動きが高まっており、印伝製品が再び注目され始めています。
印伝の種類
印伝の種類
印伝には、大きく分けて2種類あります。1つは、鹿革に漆を塗った「漆印伝」であり、もう1つは、鹿革に箔を押した「箔印伝」です。漆印伝は、漆の光沢が美しく、耐久性にも優れています。箔印伝は、箔の輝きが上品で、華やかな印象があります。
漆印伝には、さらに「本印伝」と「野印伝」の2種類があります。本印伝は、漆を何度も塗り重ねて仕上げたもので、光沢と耐久性に優れています。野印伝は、漆を1回だけ塗り重ねたもので、素朴な風合いが特徴です。
箔印伝には、「金箔印伝」と「銀箔印伝」の2種類があります。金箔印伝は、金箔の輝きが美しく、高級感があります。銀箔印伝は、銀箔の輝きが上品で、落ち着いた印象があります。
印伝は、その種類によって、さまざまな表情を見せてくれます。自分の好みに合った印伝を見つけることで、より長く愛用することができるでしょう。
印伝の産地
印伝の産地は、山梨県です。印伝は、山梨県産の鹿革に漆で模様を描いたものです。山梨県は、古くから鹿革の産地として知られていて、江戸時代には、山梨県の鹿革は、徳川将軍家に献上されていたそうです。印伝は、山梨県の特産品として、現在も大切に受け継がれています。
印伝の伝統的工芸品指定
革製品の用語『印伝』の歴史と特徴
印伝は、鹿革に漆を塗り、文様を施した日本の伝統的な革製品です。印伝は、16世紀に甲斐国(現在の山梨県)で生まれ、江戸時代には全国に広まりました。印伝は、その優れた強度と耐久性から、武具や馬具に使用され、戦国武将の間でも人気を博しました。
印伝は、その伝統的な工芸品としての価値を認められ、1975年(昭和50年)に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されました。伝統的工芸品とは、我が国の伝統的な技術や技法によって作られる工芸品であり、その優れた品質や意匠が認められたものです。印伝は、その伝統的工芸品指定により、その価値がより広く認められるようになりました。