革製品の用語『仕上膜の剥離強さ試験法(仕上げ膜の擦り傷性を示し、JIS K6555に試験方法が掲載されている。』
革製品を知りたい
先生、『仕上膜の剥離強さ試験方法』が解らないんですけど教えてもらえますか?
革製品の研究家
もちろん!『仕上膜の剥離強さ試験方法』とは、皮革製品の仕上げ膜の接着強さを示す試験方法のことです。JIS K6555:1995に試験方法が掲載されています。
革製品を知りたい
へぇ~、どんな試験方法があるんですか?
革製品の研究家
標準状態での剥離試験のほか、湿潤剥離、老化剥離及び屈曲剥離試験があります。簡易な方法としては、セロハン粘着テープなどを塗膜の上から貼り、それを引き剥がして塗膜が粘着テープに移行する状態を観察する方法もあります。
仕上膜の剥離強さ試験方法とは。
革製品の用語である「仕上げ膜の剥離強さ試験方法」は、仕上げ膜と革の接着強度を示すものであり、JISK6555:1995に試験方法が記載されています。標準状態での剥離試験のほかに、湿潤剥離、老化剥離、屈曲剥離試験があります。JIS法に準じた簡便な方法として、セロハン粘着テープなどを塗膜の上から貼り、それを引き剥がして塗膜が粘着テープに移行する状態を観察する方法がありますが、測定結果の変動が大きくなります。JISでは、基準値は規定されていません。
試験方法の国際規格として、ISO11644:2009(IULTCS/IUF470)があります。ISO履き物(草案)の要求性能は、乾燥試験で3.0N/10mm、湿潤試験で2.0N/10mm(ISO17698:2003)です。ドイツ皮革産業、靴工業会は、銀付牛革では乾燥試験で3.0N/10mm、湿潤試験で2.0N/10mm、バフした牛革では乾燥で5.0N/10mm、湿潤で3.0N/10mm、ボックスカーフ、グレイズドキッド、ラムスキン革のような薄い仕上げのファッショナブル革の乾燥試験で2.0N/10mmと規定しています。椅子張用革の特性-家具用革(草案)ISO/DIS16131では、最低2.0N/10mmの推奨規格値を提供しています。ドイツ皮革協会では、家具用革で2.0N/10mmと規定しています。EC皮革研究所では、ナッパ革で2.5N/10mmと規定しています。
標準状態での剥離試験
標準状態での剥離試験は、革製品の仕上膜の剥離強さを測定するために使用される試験方法です。この試験は、JIS K6555に試験方法が掲載されています。
標準状態での剥離試験では、まず革製品の表面に一定の圧力でテープを貼り付けます。次に、テープを一定の速度で剥がします。剥がしたテープの表面に付着した革の面積を測定することで、革製品の仕上膜の剥離強さを求めます。
標準状態での剥離試験の結果は、革製品の品質を評価するために使用されます。剥離強さが高い革製品は、剥離しにくく、傷つきにくいことから、耐久性が高いと評価されます。
湿潤剥離、老化剥離及び屈曲剥離試験
湿潤剥離、老化剥離及び屈曲剥離試験は、革製品の仕上膜の剥離強さを評価するための試験方法です。これらの試験は、革製品が使用中に受ける様々な条件を再現して、仕上膜がどの程度剥離しやすいかを調べます。
湿潤剥離試験では、革製品を水に浸した後、表面を布で擦ります。この試験は、革製品が雨や汗などの湿気にさらされた場合に、仕上膜がどの程度剥離しやすいかを調べます。
老化剥離試験では、革製品を高温多湿の環境に一定期間放置した後、表面を布で擦ります。この試験は、革製品が長期間使用された場合に、仕上膜がどの程度剥離しやすいかを調べます。
屈曲剥離試験では、革製品を一定回数折り曲げた後、表面を布で擦ります。この試験は、革製品が曲げられたり伸ばされたりする場合に、仕上膜がどの程度剥離しやすいかを調べます。
これらの試験の結果は、革製品の仕上膜の品質を評価するために使用されます。仕上膜の剥離強さが高い革製品は、使用中に仕上膜が剥離しにくく、より耐久性が高いと考えられます。
JIS法に準ずる簡便な方法
JIS法に準ずる簡便な方法として、JIS K6555に記載されている対数目盛りのコシ試験紙(JIS Z1745)を用い、コシ試験機の可動ヘッドにセロハンテープで試験片を固定して試験片表面を横方向に10回往復擦り、その擦り傷数を目視で観察して、その平均値を擦り傷性指数とする方法がある。これにより、仕上げ膜の耐摩耗性を簡単に評価することができる。この方法では、JIS法と比較して、試験片のサイズが小さく、試験時間も短縮できるので、より手軽に仕上げ膜の耐摩耗性を評価することができる。
JISには基準値は規定されていない
JISには基準値は規定されていない
仕上膜の剥離強さ試験法は、革製品の表面のコーティングの強度を評価する試験方法です。この試験法は、JIS K6555に掲載されており、試験方法が詳細に規定されています。しかし、この試験法では、仕上膜の剥離強さの基準値は規定されていません。これは、革製品の用途や使用環境によって、仕上膜の剥離強さの要求値が異なるためです。そのため、仕上膜の剥離強さの基準値は、革製品のメーカーやユーザーが独自に設定することになります。
国際規格としては、ISO11644:2009(IULTCS/IUF470)がある
革製品の強度の試験の方法として、「仕上膜の剥離強さ試験法」が採用されている。これは、革製品の表面に塗布された仕上げ膜の擦り傷性を示す試験方法で、JIS K6555に試験方法が掲載されています。
この試験法は、革製品の表面に一定の強さで擦り傷を付けた後、その傷の深さを測定して仕上げ膜の剥離強度を評価するものです。擦り傷の深さが深いほど、仕上げ膜の剥離強度が弱く、革製品が傷つきやすいことを示しています。
また、国際規格としては、ISO116442009(IULTCS/IUF470)があります。こちらは、革製品の仕上げ膜の剥離強度を測定するための試験方法で、擦り傷の深さを測定するのではなく、仕上げ膜が剥離するまでの力を測定して仕上げ膜の剥離強度を評価します。