革製品の用語『ブラインキュア』について

革製品の用語『ブラインキュア』について

ブラインキュアとは

革製品の用語『ブラインキュア』とは、読んで字のごとく「塩漬け」です。
皮革製造工程の鞣しの際に用いられる用語で、原皮を塩漬けにすることで腐敗を防止し、鞣しやすくすることを目的としています。
ブラインキュアによって、原皮の水分を塩分が吸収し、雑菌の繁殖を抑え、皮革の組織を安定させる効果があります。
また、ブラインキュアは、皮革に柔軟性や耐久性を与え、革製品の風合いを高める役割も果たしています。

ブラインキュアの工程

ブラインキュアの工程について

ブラインキュアとは、革を塩漬けにして保存する伝統的ななめし方法です。 塩漬けにすることで、革の腐敗を防ぎ、タンパク質を強化することができます。ブラインキュアは、革を柔らかくしなやかにする効果もあります。

ブラインキュアの工程は、まず革を塩水に漬けることから始まります。塩水の濃度は、革の種類や厚さによって異なります。一般的には、革の重量の10～20％の塩を使用します。革を塩水に漬け込む時間は、短くて数日から、長くても数ヶ月までさまざまです。

塩水に漬け込んだ後、革は水洗いして塩分を洗い流します。その後、革を乾燥させます。 乾燥させた後、革はなめし工程に移ります。なめし工程で、革は動物の脂や植物タンニンなどの薬品に漬けて、腐敗を防ぎ、柔らかくしなやかにします。

ブラインキュアは、革を保存し、なめしやすくする伝統的な方法です。ブラインキュアによって作られた革は、柔らかくしなやかで、丈夫です。

ブラインキュアのメリット

ブラインキュアのメリット

ブラインキュアには多くのメリットがあります。まず、革の保水性や硬度を向上させ、革をより耐久性のあるものにすることができます。また、ブラインキュアにより革の表面が滑らかになり、より美しくなります。さらに、ブラインキュアは革の耐熱性を高め、熱によるダメージから革を守ることができます。ブラインキュアは、革製品を長く美しく保つために欠かせない工程です。

ブラインキュアされた革は、塩漬けにされていない革よりも柔らかく、しなやかです。これは、ブラインキュアにより革のタンパク質が分解され、繊維が柔軟になるためです。また、ブラインキュアされた革は、塩漬けにされていない革よりも水に強く、耐久性があります。これは、ブラインキュアにより革の繊維が引き締められ、水分の浸入を防ぐためです。

ブラインキュアのデメリット

ブラインキュアのデメリット

ブラインキュアは革製品に多くのメリットをもたらしますが、デメリットもあります。まず、ブラインキュアでは、塩水に革を浸す必要があるため、時間がかかります。また、塩水に浸すことで、革が硬くなってしまうこともあります。さらに、ブラインキュアでは、塩水に浸すことで、革の風合いが失われてしまうこともあります。

ブラインキュアのデメリットは、塩水に革を浸すことで、革が硬くなってしまうことです。これは、塩水中に含まれる塩分が、革のタンパク質と反応して、硬化させるためです。特に、薄く柔らかい革の場合は、ブラインキュアによって硬くなりやすく、柔軟性を失ってしまう可能性があります。

ブラインキュアのデメリットは、塩水に浸すことで、革の風合いが失われてしまうことです。これは、塩水中に含まれる塩分が、革の表面にある天然の油分を溶かし出してしまうためです。天然の油分が失われることで、革は乾燥しやすく、ひび割れが生じやすくなります。また、革の表面がザラザラとした手触りになり、光沢も失われます。

ブラインキュアの歴史

ブラインキュアの歴史は古く、古代エジプト時代まで遡ります。 この時代には、すでに皮を塩水に浸して保存する方法が取られていました。塩水が皮の腐敗を防ぎ、革製品の保存期間を延ばす効果があることが知られていたのです。

中世ヨーロッパでも、ブラインキュアは広く行われていました。 当時、革製品は重要な交易品であり、長期保存に耐えられることが求められました。ブラインキュアは、革製品を長距離輸送する際に欠かせない技術でした。

近代になると、革製品の保存技術はさらに発展しました。 化学薬品を用いた保存方法が開発され、ブラインキュアは次第に廃れていきました。しかし、現在でもブラインキュアは、伝統的な革製品の製造方法として継承されています。