革製品の用語『脱酸』を理解する
革製品を知りたい
脱酸とは、ピックル皮から酸を除去するということですね。
革製品の研究家
そうです。ピックル皮は、低いpHと高い塩濃度により脱水され、薄く、しわのある状態にあります。このままでは、鞣しに適さないので、膨潤を防ぐための塩化ナトリウム添加浴に重曹やホウ砂などの弱アルカリ剤を加えて脱酸し、皮を適度の膨潤状態に戻します。
革製品を知りたい
脱酸処理の後には、脱脂を行うことが多いんですか?
革製品の研究家
はい、羊皮などのピックル皮で長期に保存したものは、地脂(皮中の油分)が多く残っているため、製品になってから外層に移行しやすいです。この場合は、脱酸処理に引き続いて脱脂を行うことが多いです。
脱酸とは。
革製品の用語である「脱酸」とは、ピックル皮から酸を除去することです。ピックル処理で保存した皮は、低いpHと高い塩濃度によって脱水され、薄く、しわのある状態にあります。そのままの状態では、鞣しに適さないため、膨潤を防ぐための塩化ナトリウム添加浴に重曹やホウ砂などの弱いアルカリ剤を加えて酸を取り除き、皮を適度の膨潤状態に戻します。また、羊皮などのピックル皮で長期保存されたものは、地脂(皮の中の油分)が多く残っているため、製品になってから外層に移行しやすくなります。このような場合は、脱酸処理に引き続いて脱脂を行うことがよくあります。
脱酸とは何ですか?
革製品の用語『脱酸』を理解する
脱酸とは何ですか?
革の脱酸とは、なめし工程において、革の表面から余分な酸を除去する工程を指します。 革をなめす際には、酸性の薬剤などが使用されます。これらの酸は、革のタンパク質を硬くし、腐敗を防ぐ効果があります。しかし、その一方で、革の表面に余分な酸が残っていると、革の色や風合いが悪くなったり、耐久性が低下したりすることがあります。そのため、革をなめした後には、脱酸を行う必要があります。脱酸を行うことで、革の表面から余分な酸を除去し、革の色や風合いを良くし、耐久性を高めることができます。
脱酸の目的
脱酸の目的
脱酸は、革製品の製造工程において、革の品質を向上させるために欠かせない重要な工程です。脱酸の主な目的は、革に残っているアルカリを除去し、革のpH値を中性にすることです。アルカリは、革を柔らかくする効果がありますが、そのまま残っていると、革が変色したり、腐敗したりする原因となります。また、脱酸を行うことで、革の風合いが良くなり、耐久性が高まります。脱酸は、革の製造工程において、とても重要な工程であり、革製品の品質を左右する重要なポイントです。
脱酸の方法
脱酸の方法
脱酸には、主に2つの方法があります。
-1. 加硫脱酸-
加硫脱酸は、革の加硫促進剤として使用する化学薬品に脱酸剤を混ぜて行う方法です。脱酸剤には、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウムなどが使用されます。加硫脱酸は、革の脱酸効果が高く、比較的安価に行うことができます。しかし、加硫促進剤の種類や使用量によっては、革の風合いが損なわれることがあります。
-2. 酸性脱酸-
酸性脱酸は、革を酸性溶液に浸して行う方法です。酸性溶液には、硫酸、塩酸、硝酸などが使用されます。酸性脱酸は、加硫脱酸よりも革の風合いを損なうリスクが低く、より柔軟な革を得ることができます。しかし、酸性脱酸は、加硫促進剤の種類や使用量によっては、革の強度が低下することがあります。
革の脱酸方法は、革の種類や用途によって異なります。加硫脱酸は、靴や鞄などの耐久性が求められる革に適しています。酸性脱酸は、服飾や内装材などの柔軟性が求められる革に適しています。
脱酸の重要性
革製品の用語『脱酸』を理解する
革製品の用語「脱酸」とは、革の生産工程において、なめし工程を経て、革から酸を中和して取り除く処理のことです。脱酸は、革の品質や仕上がりに大きく影響し、重要な工程のひとつです。
脱酸の重要性
脱酸は、革の品質や仕上がりに大きな影響を与えるため、重要な工程です。脱酸を行うことで、以下のメリットがあります。
脱酸後の処理
-脱酸後の処理-
脱酸処理後は、革を洗浄して脱酸剤を取り除く必要があります。 洗浄には、水やアルカリ溶液などが使用されます。洗浄後は、革を乾燥させ、仕上げの工程に進みます。仕上げには、着色、コーティング、プレスなど様々な方法があります。
革の仕上げは、その用途に応じて異なります。靴やバッグなどの革製品は、耐久性や耐水性を高めるためにコーティングされます。 衣料用の革は、柔軟性を高めるためにプレスされます。仕上げによって、革の質感が変わり、製品の機能性や美観が向上します。