伝統的な皮なめし法『くん』
革製品を知りたい
「くん」とは、革製品の用語で、どんな技法のことですか？
革製品の研究家
「くん」とは、脳しょう（漿）鞣し法で作られたシカの白皮（しらかわ）に松葉あるいは稲わらの煙をあてて燻煙する技法です。
革製品を知りたい
燻煙することによって、どのような効果があるのですか？
革製品の研究家
燻煙することによって、白皮の保存性や水に対する安定性が高まり、外観にくん煙色の着色がされます。
くんとは。
「くん」とは、古くから伝わる革製品の鞣し法の一つです。脳しょう（漿）鞣し法で作られたシカの白皮に、松葉や稲わらの煙をあてることで鞣し効果を高め、保存性や水に対する安定性を高めるとともに、外観に燻煙色の着色を施すために燻煙する技法です。通常、甲州印伝の製品加工の前に行われ、煙の材料によって色調が異なります。この設備の基本は、煙を出すかまどと、白皮を張り付けるための燻し太鼓（燻し胴）からなります。なお、地域によって、燻煙のことを「ふすべ」「えぶし」「いぶし」「くすべ」と呼ぶことがあります。燻煙中には、鞣し効果をもたらすアルデヒド類、カテコール化合物、フェノール化合物のようなポリフェノール化合物がガス状や粒子状で存在します。これらが皮タンパク質と結合することによって着色や鞣しが行われると考えられています。
1. 高温に加熱したコテで表面を焼く（革すり）。
2. 革すりした革を太鼓に糸などを使用して貼る。
3. 太鼓に貼った鹿革をわらや松脂で燻す。
4. 燻し終わった革を太鼓から取り外す。
くんとは？
くんとは？
くんとは、姫路の伝統的な皮なめし法です。約800年前の平安時代に始まったとされ、「くめかわ」とも呼ばれています。生皮を石灰と小麦ふすまを用いて水に浸し、獣毛、皮脂などの不純物を除去し、その後、タンニン液を用いて皮をなめします。タンニン液は樫の木の粉、渋柿の渋などを用います。なめしを終えた皮は、火で乾燥させて、柔らかくして完成です。
姫路では、古くから革製品作りが盛んでした。姫路城の城主が、家臣に革製品を奨励したとも伝えられています。くんの皮は、丈夫で、風合いが良いことから、鎧や兜、弓矢などの武具や、靴、財布、バッグなどの日用品に広く用いられてきました。
現在でも、姫路にはくんの技術を受け継ぐ職人たちがいます。県の伝統工芸品にも指定されており、国内外の注目を集めています。
くんの工程
くんの工程
くんは、鹿革をなめす伝統的な製法で、アイヌの人々は古くからこの方法を用いて革製品を作ってきました。くんは、鹿の毛皮をまず水に浸して柔らかくします。次に、毛皮を鹿油で塗り、たき火の煙で燻します。この燻すという工程を繰り返すことで、鹿革は次第に柔らかくなり、耐久性が増していきます。くんは、手間と時間がかかる作業ですが、その分、とても丈夫で美しい革製品ができあがります。
くんの目的
くんの目的
くんの目的は、動物の皮を柔らかくし、耐久性のある革製品にすることです。このプロセスは、何世紀にもわたって世界各地で行われており、さまざまな文化や地域によってさまざまな方法で行われています。
くんの主な目的は、動物の皮からタンパク質を分離することです。タンパク質は、皮の硬さと腐敗の原因となる物質です。くんをすることで、タンパク質が分解され、皮が柔らかくなり、耐久性のある革製品になります。
くんのもう一つの目的は、皮を水や汚れから保護することです。くんをすることで、皮の表面が硬くなり、水や汚れが浸透しにくくなります。これは、革製品をより耐久性のあるものにし、長持ちさせるのに役立ちます。
くんは、皮革産業において重要なプロセスです。このプロセスにより、動物の皮が柔らかくて耐久性のある革製品に変わり、衣料品、靴、家具など、さまざまな製品に使用されます。
くんの使用材料
くんは、伝統的な皮なめし法で、動物の皮を加工して革製品へと作り上げる技法です。
くんの使用材料は、動物の皮、水、油脂、木炭、灰汁などです。
動物の皮は、牛、馬、豚、犬、鹿などあらゆる動物の種類のものを使用することができますが、最も多く用いられるのは牛の皮です。
水は、皮を洗浄し、柔軟にするために使用します。
油脂は、皮を柔らかくするために使用します。
木炭は、皮の中のタンニンと反応して、革の強度を高めるために使用します。
灰汁は、皮をアルカリ性にするために使用します。
くんは、これらの材料を組み合わせ、皮をなめして革製品へと加工する伝統的な技術です。
くんの歴史
「くん」の歴史は長く、その起源は古く遡ります。紀元前3000年頃には、すでにエジプトで皮なめしが行われていました。エジプト人は、皮をナイル川の泥に浸し、天日に干していました。この方法で皮をなめすと、耐久性と柔軟性に優れた革が得られました。
「くん」は、その後、世界各地に広まりました。中国では、紀元前2000年頃にはすでに「くん」が行われていました。中国人は、皮を木灰で煮て、天日に干していました。この方法で皮をなめすと、防水性に優れた革が得られました。
「くん」は、日本にも伝わりました。日本では、室町時代頃にはすでに「くん」が行われていました。日本人は、皮を柿渋でなめしていました。この方法で皮をなめすと、耐久性と柔軟性に優れた革が得られました。
「くん」は、現在でも世界各地で行われています。しかし、近代的な化学薬品を使った皮なめし法が主流となり、「くん」を行う業者は少なくなっています。しかし、「くん」で作られた革は、独特の風合いがあり、今でも根強い人気を誇っています。