革製品製造の基礎知識「石灰」
革製品を知りたい
革製品の用語『石灰』について教えて下さい。
革製品の研究家
『石灰』は革製品の製造過程で、毛を取り除いた皮を石灰水に漬け込む作業のことです。石灰に漬け込むことでタンパク質の一種であるコラーゲンを変性させて、皮を柔らかくする効果があります。
革製品を知りたい
石灰漬け作業の後はどのようにするのですか?
革製品の研究家
石灰漬け作業の後は、皮を水洗いして余分な石灰を除去します。その後、皮を乾燥させて、なめし工程に移ります。
石灰とは。
革製品の用語「石灰」とは、製革の準備工程である石灰漬け作業を終えた牛革のことです。この作業によって、皮の毛を取り除き、タンパク質を分解して柔らかくします。石灰に漬けられた皮は、その後、洗浄して中和されることで、革製品の製造に使用される準備が整います。
石灰作業とはどのような工程か
石灰作業とはどのような工程か
革製品の製造において欠かすことができない工程の一つである「石灰作業」は、皮を水に浸して石灰を加えることで、皮のコラーゲン繊維を柔らかくするために不可欠です。この工程は、タンニン鞣し、クロム鞣しなど、様々な鞣し工程の前に行われます。
皮を水に浸して数時間置いた後、石灰と水溶液を加えます。石灰は皮のコラーゲン繊維を分解し、柔軟にします。この工程は、数日間から数週間続きます。
石灰作業が終わると、皮は水洗いされ、中和されます。中和は、石灰を取り除き、皮を元の酸性度に戻す工程です。
石灰作業は、革製品製造において重要な工程であり、革の品質に大きな影響を与えます。石灰作業を適切に行うことで、柔らかく丈夫な革製品を作ることができます。
石灰工程の目的と皮革への影響
-石灰工程の目的と皮革への影響-
皮革製造において、石灰工程は重要な工程です。この工程では、動物の生皮を石灰水に浸すことで、表皮と真皮を分離したり、皮の中の不純物を取り除きます。また、石灰工程によって、皮は柔らかく、柔軟性のあるものになります。
石灰工程の目的は、大きく分けて3つあります。
1. -表皮と真皮の分離-石灰水に浸すことで、表皮と真皮を分離し、皮をなめしやすくします。
2. -不純物の除去-石灰水はアルカリ性なので、皮の中の不純物を溶かし出します。これによって、皮を柔らかくし、なめしやすくします。
3. -皮の柔軟性の向上-石灰水に浸すことで、皮の繊維がほぐれ、柔軟性が高まります。これによって、皮は加工しやすくなり、製品にしたときにしなやかになります。
石灰工程は、皮革製造において重要な工程ですが、石灰を適切に使用しないと、皮が損傷してしまうことがあります。そのため、石灰工程では、石灰の濃度や浸漬時間を厳密に管理する必要があります。
また、石灰工程は、環境への負荷が大きい工程です。石灰水はアルカリ性なので、排水処理が難しいからです。そのため、最近は、石灰工程をできるだけ短くしたり、石灰の代わりに他の薬剤を使用したりするなど、環境への負荷を軽減するための努力が行われています。
石灰作業の手順
– 革製品製造の基礎知識「石灰」
革製品の製造過程において、石灰は重要な役割を果たしています。石灰は、動物の皮を柔らかくし、腐敗を防ぐために使用されます。ここでは、石灰作業の手順について説明します。
-1.脱毛-
最初のステップでは、動物の毛皮を脱毛します。これは、機械や化学薬品を使って行われます。機械を使った場合、毛皮は回転するドラムにかけられ、摩擦によって毛が取り除かれます。化学薬品を使った場合、毛皮は脱毛剤に浸され、化学反応によって毛が溶かされます。
-2.洗浄-
脱毛された毛皮は、洗浄して汚れや血を取り除きます。洗浄には、水や石鹸、洗剤などが使用されます。
-3.石灰漬け-
洗浄された毛皮は、石灰液に漬けられます。石灰液は、水に石灰を溶かしたものです。石灰漬けの目的は、毛皮を柔らかくし、腐敗を防ぐことです。石灰漬けの時間は、毛皮の種類や厚さによって異なりますが、一般的に数日から数週間かかります。
-4.灰抜き-
石灰漬けが終わった毛皮は、灰抜きを行います。灰抜きとは、毛皮から石灰を取り除く作業です。灰抜きには、水や酢、酸などが使用されます。
-5.乾燥-
灰抜きされた毛皮は、乾燥させます。乾燥には、自然乾燥や機械乾燥など、様々な方法があります。
-6.なめし-
乾燥した毛皮は、なめしを行います。なめしとは、毛皮を柔らかくし、耐久性を高める作業です。なめしには、植物性タンニンや鉱物性タンニン、合成タンニンなど、様々な方法があります。
-7.仕上げ-
なめされた毛皮は、仕上げを行います。仕上げには、染色、加脂、コーティングなど、様々な方法があります。染色とは、毛皮に色をつける作業です。加脂とは、毛皮に油分を補給する作業です。コーティングとは、毛皮を保護するための膜を張る作業です。
-8.完成-
仕上げられた毛皮は、完成となります。完成した毛皮は、様々な革製品に使用されます。
石灰作業の注意点
石灰作業の注意点
石灰作業においては、いくつかの注意点があります。 まず、石灰は強アルカリ性であるため、素手で触ると皮膚を傷つけることがあります。また、石灰は空気中の水分と反応して発熱するため、火災の原因となることがあります。さらに、石灰は水に溶けると高温になるため、目や口に入らないように注意する必要があります。
石灰作業を行う際には、以下の点に注意しましょう。
・保護具を着用する。手袋、保護メガネ、マスクを着用して、石灰による皮膚や目、気道の保護をしましょう。
・作業場所を換気する。石灰は空気中の水分と反応して発熱するため、作業場所を換気して、火災を防ぎましょう。
・石灰を水に溶かす際には、ゆっくりと加える。石灰を水に溶かす際には、少しずつ加えて、高温にならないようにしましょう。石灰をお湯に溶かすと、急速な発熱が起こり、火傷をする恐れがあります。
・石灰を保管する際には、湿気の少ない場所に保管しましょう。石灰は空気中の水分と反応して発熱するため、湿気の多い場所に保管すると、火災の原因となることがあります。
石灰作業後の皮革の製造工程
石灰作業後の皮革の製造工程
石灰作業を終えた皮革は、次の工程である脱毛・脱灰・中和・洗浄を経て、皮革製品へと加工されていきます。
脱毛
石灰処理によって緩んだ毛根は、機械や薬品を用いて除去されます。この工程で使用する薬品の配合や処理時間は、皮革の品質に大きく影響します。
脱灰
石灰処理によってアルカリ性となった皮革を、酸性溶液に浸すことで中和します。この工程では、皮革のpH値を調整し、後の工程で使用する薬品との反応性を高めます。
中和
脱灰後の皮革を、アルカリ性溶液に浸して中和します。この工程では、皮革のpH値を調整し、皮革の柔軟性を高めます。
洗浄
中和後の皮革を、水で洗浄して不純物を取り除きます。この工程では、皮革の表面をきれいにし、後の工程で使用する薬品の浸透性を高めます。
これらの工程を経て、皮革は製品として加工される準備が整います。革製品は、衣類やバッグ、靴など、さまざまな用途に使用され、私たちの生活に欠かせない素材となっています。