革製品の用語『無浴法』とは何か?
革製品を知りたい
先生、『無浴法』ってなんですか?
革製品の研究家
『無浴法』とは、ドラム処理で新たな浴液を入れずに処理する方法のことです。通常は処理前に水洗した後、浴を切ります。しかし30~50%程度の浴は残ります。そこに鞣剤などを添加すると処理浴中の薬剤濃度が高くなり、革への浸透性が高まるために鞣しや再鞣工程で用いられる方法です。
革製品を知りたい
なるほど。無浴法は、鞣しや再鞣工程で使用されるんですね。
革製品の研究家
そうです。無浴法は、革をより柔らかく、柔軟にするために使用されます。また、革の強度を高める効果もあります。
無浴法とは。
「無浴法」とは、ドラム処理の際に、新しい浴液を投入せずに革を処理する方法です。通常、ドラム処理の前に水洗いを行いますが、その後、水洗いによって革から完全に浴液が切れるわけではありません。そのため、30~50%程度の浴液が残ることになります。この残った浴液に、鞣剤などの薬剤を添加すると、処理浴中の薬剤濃度が高くなり、革への浸透性が高まります。これが「無浴法」の原理です。「無浴法」は、鞣しや再鞣しの工程で用いられることが多いです。
無浴法とはどのような方法か?
無浴法とは、革製品の鞣し方法の一種であり、化学薬品や水を使用せずに革をなめす方法です。伝統的ななめし方法であるピット槽なめし法やクロムなめし法とは異なり、無浴法は環境に優しいなめし方法として注目されています。
無浴法では、まず皮を脱脂して毛を取り除きます。次に、皮を植物タンニンや鉱物タンニンなどのなめし剤に浸漬します。なめし剤は、皮のタンパク質と結合し、皮を柔軟で耐久性のある革にします。なめし剤に浸漬する時間は、革の厚さや強度によって異なります。
無浴法のメリット
-無浴法のメリット-
無浴法では、革をなめす工程で水を使用しません。 これにより、革の強度や耐久性が損なわれることがなく、革本来の風合いを保つことができます。また、環境負荷も軽減できるというメリットがあります。
革を水でなめす場合、水に溶けた化学物質が革の内部に浸透し、革の強度や耐久性を損なうことがあります。一方、無浴法では水を使用しないため、化学物質が革の内部に浸透することがなく、革の強度や耐久性を保つことができます。
さらに、革を水でなめす場合、大量の水を使用することになります。この水は、環境に悪影響を与える化学物質を含むことが多く、水質汚染に繋がることがあります。一方、無浴法では水を使用しないため、水質汚染を発生させることがありません。
無浴法は、革の強度や耐久性を保ちながら、環境負荷を軽減できるというメリットがあります。そのため、近年では無浴法で革をなめすメーカーが増加しています。
無浴法のデメリット
無浴法のデメリットとは
無浴法は、革製品に油を染み込ませることで防水性を高める伝統的な方法ですが、この方法にはデメリットもあります。まず、手間と時間がかかるという点です。無浴法では、革を油に浸したり、塗っては乾かしたりという作業を何度も繰り返す必要があります。また、均一に油を染み込ませることが難しく、ムラができやすいというデメリットもあります。さらに、油を染み込ませることで革が重たくなり、しなやかさが失われるという点も挙げられます。また、油が革を酸化させる可能性があるため、革の寿命が短くなるというデメリットもあります。
無浴法が用いられる工程
無浴法とは、革製品の鞣し(なめし)の工程において、薬品を用いずに革を柔らかくする方法のことです。伝統的な鞣し法では、動物の皮をクロムやタンニンなどの薬品に浸して柔らかくしますが、無浴法では薬品を使用しません。そのため、無浴法で鞣した革は、薬品を使用していないため、より天然の風合いを残すことができます。また、薬品を使用しないため、環境にも優しい方法です。
無浴法は、主に高級革製品の製造に使用されます。バッグや靴、財布などの革製品の製造に使用される革は、無浴法で鞣されると、より柔らかく、耐久性のある革になります。また、無浴法で鞣した革は、薬品を使用していないため、アレルギーを起こしにくいという特徴もあります。
無浴法は、革製品の鞣しの工程で用いられる方法です。無浴法は、薬品を使用せずに革を柔らかくする方法であり、高級革製品の製造に使用されます。無浴法で鞣した革は、より柔らかく、耐久性のある革になります。また、無浴法で鞣した革は、薬品を使用していないため、アレルギーを起こしにくいという特徴もあります。
無浴法の注意点
無浴法の注意点
無浴法は、革の表面に塗料を塗らず、革本来の風合いと質感を楽しむことができる製法です。
しかし、革は自然素材のため、無浴法革は他の製法の革よりも傷つきやすく、汚れにも弱いです。
そのため、無浴法革製品を購入した場合は、以下のような点に注意が必要です。
・柔らかい布で汚れを拭き取る
・革専用保護クリームを定期的に塗布する
・直射日光を避けて保管する
・雨や水に濡らさない
これらの点に注意してケアすることで、無浴法革製品を長く愛用することができます。