革製品のにおいとは？
革製品を知りたい
皮革製品のにおいの成分は何ですか？
革製品の研究家
皮革製造に使用される鞣剤、仕上げ剤や加脂剤など製造工程で使用される薬品が主要な成分です。
革製品を知りたい
なるほど。では、クロム鞣し革のにおいの成分は何でしょうか？
革製品の研究家
クロム鞣剤は揮発性物質が少ないため、皮革の主要なにおい成分にはなりません。仕上げ剤と仕上げ塗装に溶剤として使用されるシンナー成分や加脂剤の成分などが主要なにおい成分となります。
皮革のにおいとは。
革製品のにおいとは、人間が快いと感じるものを香り、不快だと感じるものを臭気と呼びます。皮革製品の場合、動物の生体から発するにおい成分は、皮革製造工程でほとんど取り除かれており、においの主成分は皮革製造に使用される薬品類です。
かつては、皮革製品には植物タンニン鞣し革が多く用いられており、植物タンニンや加脂剤の成分がにおいの主成分でした。その後、クロム鞣しが普及すると、クロム鞣剤は揮発性物質が少ないため、においの主成分にはなりません。その代わり、仕上げ剤や仕上げ塗装に溶剤として使用されるシンナー成分や加脂剤の成分がにおいの主成分となりました。
また、靴などの皮革製品には溶剤型接着剤が使用されるため、有機溶剤のにおいも加わります。有機溶剤は、時間の経過とともに蒸発してにおいは弱くなり、その一方で加脂剤の酸化生成物（例えばアルデヒド化合物など）は増加します。しかし、酸化される油脂が無くなれば、酸化生成物も減少していきます。したがって、皮革製品を通気性の良い場所で保管しておけば、時間の経過とともににおいは弱くなっていきます。
皮革のにおい成分を分析するためによく使用される方法の一つが、ガスクロマログラフ質量分析計（GC-MS）です。この方法で分析すると、次のような物質が検出されます。
* 製造工程で使用された有機酸
* 加脂剤の酸化生成物（ヘキサナール、ヘプタナール、ノナナールなどのアルデヒド化合物など）
* 魚油を加脂剤として使用した場合に検出されるジメチルアミンやトリメチルアミン
* シンナーなどの溶剤成分（エトキシエタノール、トルエンなど）
* 植物タンニン鞣し革ではフェノールや種々のフェノール化合物
これらのうち、デカン、ウンデカン、ドデカンのほか様々な炭化水素化合物は加脂剤の成分ですが、皮革のにおい成分として主要な構成成分であると考えられています。
革製品のにおいの原因
革製品のにおいとは？
革製品のにおいの原因
革製品には独特のにおいがあります。それは、タンニン、不飽和脂肪酸、動物性タンパク質などのさまざまな化学物質によって引き起こされます。これらの物質は、革のなめしや加工の際に生成され、革に特徴的なにおいを与えています。また、革のにおいは、革の産地、種類、加工方法によっても異なります。例えば、牛革は豚革よりもにおいが強い傾向がありますし、クロムなめし革は植物なめし革よりもにおいが少ない傾向があります。また、革製品の使用頻度や手入れ方法によっても、革のにおいは変化します。
クロム鞣し革と植物タンニン鞣し革のにおいの違い
-クロム鞣し革と植物タンニン鞣し革のにおいの違い-
革製品は、クロム鞣し革と植物タンニン鞣し革の2種類の鞣し方法で製造されています。クロム鞣し革は、化学物質であるクロム塩を使って革を鞣し、植物タンニン鞣し革は、植物から抽出されるタンニンを使って革を鞣しています。この2つの鞣し方法の違いによって、革製品のにおいも異なります。
クロム鞣し革は、化学薬品のにおいがするため、独特のにおいがあります。一方、植物タンニン鞣し革は、自然素材を使って鞣しているため、皮革そのものの自然なにおいがします。また、植物タンニン鞣し革は、クロム鞣し革よりも柔らかくしっとりとした触り心地で、経年変化によって色が深まり、独特の風合いが生まれます。
クロム鞣し革は、安価で生産性が良く、また、革が柔らかいため、衣類やバッグなどのファッションアイテムに使用されることが多くみられます。植物タンニン鞣し革は、クロム鞣し革よりも高価で生産性も低いため、高級品の靴やバッグなどに使用され、耐久性やメンテナンス性に優れていることが特徴です。
クロム鞣し革と植物タンニン鞣し革は、それぞれ特徴のあるにおいを持っています。クロム鞣し革のにおいが苦手な方は、植物タンニン鞣し革の製品を選ぶと良いでしょう。また、植物タンニン鞣し革は、経年変化によってにおいが変化するため、使い込むほど革のにおいが深まり、愛着が増します。
皮革のにおいの分析法
皮革のにおいの分析法
革製品のにおいは、天然の皮革の芳香やなめし剤のにおいなど、さまざまな要因によって異なります。皮革のにおいを分析するには、さまざまな方法があります。
におい閾値法は、皮革製品のにおいの強度を測定する方法です。この方法では、被験者に皮革製品のにおいを嗅いでもらい、においが感知できる最小の濃度を測定します。
におい記述法は、皮革製品のにおいの特徴を記述する方法です。この方法では、被験者に皮革製品のにおいを嗅いでもらい、においの特徴について報告してもらいます。
におい組成分析は、皮革製品のにおいに含まれる化合物を測定する方法です。この方法では、皮革製品のにおいから揮発性有機化合物を抽出し、ガスクロマトグラフィーや質量分析法によって分析します。
これらの分析法によって、皮革製品のにおいの強度、特徴、組成を明らかにすることができます。皮革製品のにおいの分析結果は、皮革製品の製造や品質管理に役立てることができます。
皮革製品のにおいを軽減する方法
革製品のにおいを軽減する方法
皮革製品は、特有のにおいを持つことで知られています。これは、皮革の鞣しや染色などの製造工程で使用される化学物質によるものです。このにおいは、人によっては不快に感じる場合がありますが、お手入れをすれば軽減することができます。
皮革製品のにおいを軽減するための方法は、以下の通りです。
1. 換気をする
革製品を購入したら、まず換気の良い場所に置いておきましょう。これにより、製造工程で発生した化学物質のにおいを軽減することができます。
2. 消臭剤を使う
革製品のにおいを軽減するには、消臭剤を使うのも効果的です。消臭剤は、市販されているものだけでなく、重曹や炭酸水素ナトリウムなどの身近にあるものでも代用することができます。
3. 石鹸で洗う
革製品のにおいが強い場合は、石鹸で洗うのも有効です。石鹸は、皮革の毛穴に詰まった汚れや化学物質を洗い流すことができます。
4. オイルを塗る
革製品のにおいを軽減するには、オイルを塗るのも効果的です。オイルは、皮革を保護し、においを抑えることができます。
5. 専門業者に相談する
皮革製品のにおいがなかなか軽減されない場合は、専門業者に相談しましょう。専門業者は、においの原因を特定し、適切な処理を行うことができます。
皮革製品のにおいを長持ちさせる方法
皮革製品のにおいを長持ちさせる方法
皮革製品は、その独特なにおいが特徴のひとつです。このにおいは、革に含まれるタンニンや油脂などの成分によるものです。これらの成分は、使い込むことで酸化して変化し、においが変化していきます。通常、新製品の革製品は強い香りがしますが、使い込むことで次第に和らいでいきます。しかし、お手入れを怠ると、においが悪化したり、革が傷んだりすることがあります。
皮革製品のにおいを長持ちさせるためには、以下の点に注意しましょう。
* -定期的なお手入れを行う-革製品は、定期的に汚れを落とす必要があります。汚れを放置すると、においが悪化したり、革が傷んだりすることがあります。お手入れは、革用のクリーナーやコンディショナーを使用するのがおすすめです。
* -直射日光や高温多湿を避ける-革製品は、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。直射日光や高温多湿にさらされると、革が傷んだり、においが悪化したりすることがあります。
* -保管する際は、通気性を良くする-革製品を保管する際は、通気性を良くしましょう。通気性を良くすることで、湿気を防ぎ、においを防ぐことができます。
* -革製品専用の防臭剤を使用する-革製品専用の防臭剤を使用することで、においを防ぐことができます。防臭剤は、革製品の表面にスプレーしたり、革製品の中に入れたりすることができます。