革靴の製法の違い
革製品を知りたい
革製品の用語『中底リブ』について教えて下さい。
革製品の研究家
中底リブは、グッドイヤーウェルト式製法やシルウェルト式製法の中底の裏面の周辺に取り付けられた凸状の部品です。
革製品を知りたい
中底リブの役割は何ですか?
革製品の研究家
中底リブは、ウェルトをリブに縫いつけることで、靴型に甲部を釣り込んだ後にウェルトを取り付ける役割を果たします。
中底リブとは。
革製品の用語「中底リブ」とは、グッドイヤーウェルト式製法やシルウェルト式製法の中底の裏側の周りに取り付けた凸状の部品を指します。靴の形に合わせて甲の部分を釣り込んだ後、リブにウェルトを縫い付けます。タンニン革の中底の場合は、裏面周辺をナイフで彫り起こしてリブを作ることもあります。
・革靴の製法と中底リブの関係
革靴の製法と中底リブの関係
革靴の製法には、大きく分けて「マッケイ製法」「グッドイヤーウェルト製法」「ノルヴェイジャン製法」「ブーツ製法」の4つがあります。それぞれ、靴の作り方や形が異なり、靴の履き心地や耐久性にも違いがあります。
マッケイ製法は、最もシンプルな製法で、中底と靴底を直接縫い合わせます。中底リブは使用しません。この製法で作られた靴は、軽量で柔らかく、履き心地が良いのが特徴です。しかし、耐久性は他の製法に比べて劣ります。
グッドイヤーウェルト製法は、中底と靴底の間に中底リブを挟んで縫い合わせる製法です。中底リブは、靴の強度と耐久性を高める役割を果たします。この製法で作られた靴は、マッケイ製法の靴よりも重く硬くなりますが、耐久性が高く、長持ちします。
ノルヴェイジャン製法は、グッドイヤーウェルト製法に似ていますが、中底リブを靴底に直接縫い付けるのではなく、靴底に溝を掘って中底リブを差し込み、その後、靴底を縫い合わせる製法です。この製法で作られた靴は、グッドイヤーウェルト製法の靴よりもさらに強度と耐久性が高く、過酷な環境でも使用することができます。
ブーツ製法は、靴底と靴のアッパーを直接縫い合わせる製法です。中底リブは使用しません。この製法で作られた靴は、マッケイ製法の靴と同様に軽量で柔らかく、履き心地が良いのが特徴です。しかし、耐久性は他の製法に比べて劣ります。
・グッドイヤーウェルト式製法の特徴
グッドイヤーウェルト式製法は、革靴の製法の中でも最も伝統的で手間のかかる方法のひとつです。その特徴は、まず木型に革を巻きつけ、ステッチで仮縫いして靴の形にします。次に、ウェルトと呼ばれる革の帯を靴底とアッパーの間に挟んで縫い付けます。最後に、靴底を接着剤で貼り付け、靴を仕上げます。
この製法で作られた靴は、頑丈で耐久性が高く、長持ちします。また、靴底が厚いためクッション性があり、履き心地が良いのも特徴です。しかし、その分コストがかかるため、価格がやや高くなる傾向があります。
グッドイヤーウェルト式製法で作られた靴は、ビジネスシーンやフォーマルな場など、様々なシーンで活躍します。また、長く履くことができるので、コストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。
・シルウェルト式製法の特徴
シルウェルト式製法の特徴
シルウェルト式製法は、靴の製法の中でも最も伝統的な方法のひとつです。この製法では、靴底と靴のアッパー(甲革)を縫い合わせて作られます。靴のアッパーを木型に載せて、その上から靴底を縫い付けるため、靴の形をより立体的に表現することができます。また、靴底とアッパーを縫い合わせることで、接着剤を使用しないため、靴の耐久性が高まります。シルウェルト式製法の靴は、長年履いても型崩れしにくく、足に馴染みやすいため、長く愛用することができます。
・中底リブの役割について
中底リブとは、靴の構造上、中底と呼ばれる部分に、縦あるいは横方向に木材や合成樹脂などが取り付けられて、靴に強度を増す構造のことです。中底リブは、靴の足に合った形を保ち、中敷きの沈み込みやゆがみを抑えます。
また、足への衝撃を和らげる効果もあり、靴の履き心地を向上させる役割も果たしています。中底リブは、革靴の製法によって異なる場合があり、マッケイ製法やグッドイヤーウェルト製法など、様々な製法があります。それぞれの製法によって、靴の強度や履き心地が異なるため、自分の足に合った製法の靴を選ぶことが大切です。
中底リブは、靴の強度や履き心地を向上させる重要な役割を果たしています。靴を選ぶ際には、中底リブの有無や構造を確認し、自分の足に合った靴を選ぶようにしましょう。
・中底リブの製作方法
・中底リブの製作方法
中底に硬さを持たせる中底リブの製作方法には、段リブ式、ベステフレックス式、グッドイヤーウェルト式、ローウェル式、マッケイ式の5種類があります。段リブ式とは、まず木型に中底を張り付けて型を取り、切り抜いた革を中底に接着して縫い合わすという製法です。革が重なることで中底に強度を持たせることができます。
また、ベステフレックス式とは、中底に特殊な樹脂を注入することで、強さを持たせる製法です。樹脂は硬化すると柔軟性を持ちながら強度のある中底となり、クッション性にも優れています。グッドイヤーウェルト式とは、中底と外底の間に革のウェルトを挟み込む製法です。ウェルトは中底と外底を縫い付けることで、強固な構造を持たせることができます。また、断熱効果や防水性にも優れています。
ローウェル式とは、中底と外底を直接縫い付ける製法です。中底と外底が一体化することで、軽量で柔軟性のある靴に仕上がります。また、耐摩耗性にも優れています。マッケイ式とは、中底と外底を機械で縫い付ける製法です。機械で縫うため、手作業で行う他の製法よりも生産性が向上します。また、縫い目の強度は高く、耐久性に優れた靴に仕上がります。