革製品のひみつ:軟水とは?
革製品を知りたい
革製品の用語『軟水』とはなんですか?
革製品の研究家
軟水とは、炭酸カルシウム(CaCO3)として60mg/L未満の水のことを言います。日本では、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの合計含有量がCaCO3として100ppm未満の水とされています。
革製品を知りたい
軟水が革製品に与える影響はありますか?
革製品の研究家
はい、軟水が革製品に与える影響はあります。特に、染色や加脂作業ではカルシウムイオンが染料や加脂剤と反応し、不溶性の色素や金属石けんなどを生じ、それが繊維と結びつくため、色むらや油じみなどが生じることがあります。
軟水とは。
革製品の用語である「軟水」とは、WHO(世界保健機関)では、炭酸カルシウム(CaCO3)として60mg/L未満の水と規定されています。日本では、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計含有量が、CaCO3として100ppm未満の水とされています。
特に、革の染色や加脂作業においては、カルシウムイオンが染料や加脂剤と反応して、不溶性の色素や金属石鹸などになってしまいます。これが繊維と結びつくことで、色ムラや油じみなどが発生することがあります。
軟水の定義と特徴
革製品のひみつ軟水とは?
軟水の定義と特徴
軟水とは、硬度が低い水のことです。硬度は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンの量を示す指標です。硬度が低い水ほど、金属イオンの量が少ないことになります。軟水は、一般的に飲みやすく、口当たりがまろやかで、石鹸や洗剤が泡立ちやすいという特徴があります。また、軟水は、金属製品やガラス製品にスケール(水垢)が付きにくいという特徴もあります。
革製品づくりにおける軟水の重要性
革製品づくりにおける軟水の重要性
革製品づくりの工程において、軟水は重要な役割を果たします。革製品づくりでは、革をなめすという工程があります。なめしとは、動物の皮を柔らかく加工処理し、革にすることです。なめしには、アルミニウムやクロム、植物からとれるタンニンなど、いろいろな薬品が使われます。軟水には、なめしの工程に使う薬品の効果を最大限に引き出す力があるのです。
また、軟水は革製品の仕上がりにも影響を与えます。これは、なめした革はアルカリ性になりがちですが、軟水は革のアルカリ性を中和する効果があるためです。革のアルカリ性を中和すると、革の柔軟性や耐久性が向上します。革製品は、長く大切に使うためには、正しいお手入れが必要です。お手入れには、革製品に適したクリーナーとコンディショナーを使用することが大切です。軟水は、革製品のお手入れにも適しています。軟水は、革製品の汚れを落とし、コンディショナーの浸透を良くする効果があります。
染色や加脂作業における軟水の役割
染色や加脂作業における軟水の役割
革製品の製造工程では、染色や加脂などの作業が行われます。これらの作業において、軟水は重要な役割を果たしています。
染色とは、革製品に色を付ける作業です。染色には、水溶性染料と油溶性染料の2種類があります。水溶性染料は、水に溶けて革に浸透します。油溶性染料は、油に溶けて革に浸透します。
加脂とは、革製品に油分を補給する作業です。加脂することで、革製品は柔軟性や耐久性が向上します。加脂には、動物性油脂と植物性油脂の2種類があります。動物性油脂は、牛脂や豚脂などです。植物性油脂は、オリーブオイルやホホバオイルなどです。
軟水は、これらの染料や油脂を革に浸透させるのに適しています。硬水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含んでいます。これらのミネラル分は、染料や油脂の浸透を妨げるため、染色や加脂の作業には適していません。
軟水を使用することで得られるメリット
革製品のひみつ軟水とは?革は、動物の皮をなめして作られる素材ですが、そのなめしには水が必要です。なめしには、石灰や塩水などさまざまな方法がありますが、その中でも軟水を使用したなめしは、革製品に多くのメリットをもたらすとされています。ここでは、軟水を使用することで得られるメリットについてご紹介します。
革製品のひみつ軟水を使用することで得られるメリット
* -柔らかさ- 軟水でなめされた革は、硬水でなめされた革に比べて柔らかくしなやかです。これは、軟水にはミネラル分が少ないため、革の繊維が硬くなりにくいという特徴があるためです。
* -耐久性- 軟水でなめされた革は、硬水でなめされた革に比べて耐久性に優れています。これは、軟水にはミネラル分が少ないため、革の繊維が傷つきにくく、また水に強い性質があるという特徴があるためです。
* -風合い- 軟水でなめされた革は、硬水でなめされた革に比べて風合いが良く、美しいツヤがあります。これは、軟水にはミネラル分が少ないため、革の表面が滑らかになり、光を反射しやすくなるためです。
* -費用対効果- 軟水でなめすには、硬水でなめすよりもコストがかかります。しかし、革製品の寿命が長くなり、美しい風合いを保つことができるので、費用対効果は高いと言えます。
革製品の品質向上に役立つ軟水の使い方
革製品の品質向上に役立つ軟水の使い方
革製品の手入れに軟水を使用することで、革の柔軟性と耐久性を高め、カビの発生を防ぐことができます。 軟水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が少ない水であり、これらのミネラルは革を硬化させたり、シミの原因になったりする可能性があります。
革製品の手入れに軟水を使用するには、まず革製品を柔らかい布で拭いて汚れを落とします。その後、軟水に浸した布で革製品を拭き、最後に柔らかい布で乾拭きします。
革製品の手入れに軟水を使用する際には、以下の点に注意しましょう。
・革製品を長時間軟水に浸さないようにしましょう。
・革製品を直射日光に当てないようにしましょう。
・革製品を火の近くに置かないようにしましょう。
これらの点に注意することで、革製品を長持ちさせることができます。