にかわの基礎知識

にかわの基礎知識

革製品を知りたい

先生、にかわについて教えてください。

革製品の研究家

にかわとは、動物の皮や裏筋、骨などを煮て涌出したゼラチンを冷やして固めたものを指します。

革製品を知りたい

にかわには、和こうと洋こうがあるそうですね。その違いは何ですか?

革製品の研究家

和こうは、従来の製法で作られたにかわで、洋こうは、工場生産で年中作られるにかわです。和こうは不純物が多く、洋こうは不純物が少ないという違いがあります。

にかわとは。

にかわとは、動物の皮や裏筋、骨などを煮て生じさせるゼラチンを、冷やして固めたものです。化学的に分解すると、コラーゲンの分子が熱に変性することでほどけて形成されたものです。自然に冷やすには、冬場の気温が必要で、屋外ではマイナスになるという場合を除いて、粘性が失われてしまいます。そのため、関西の農閑期に家内工業や手工業として生産する文化がありました。少量の生産を必要とする工房などは、今でも独自ににかわを製造する場合があります。

近代になって、マッチ軸頭に使用するなど、均質で安価で、大量のにかわが必要とされるようになったため、工場で年中生産されるようになりました。この工場生産されたにかわを「洋こう」と呼び、それ以前のにかわを「和こう」と呼びます。1930年以降には、食品用のゼラチンや、輸入が途絶え独力開発が求められた写真用印画紙、フィルムなどの社会的な要請から、ゼラチンの生産が盛んになりました。

和こう、洋こう、ゼラチンの違いは、精製によって除去された不純物の量にあります。不純物の主な成分はナトリウム、カリウム、リンで、これらは水分を保持する性質があり、製本や木工で使用すると硬化を遅延させる役割があります。岩絵具の定着には洋こうは適さず、タンパク質の鎖が長い和こうが適しているなど、それぞれに向いた用途があります。

紙管やダンボールなどの接着材としての利用は、合成樹脂接着剤の台頭によって生産量は減少しましたが、古美術品の修復や、墨、製本、木工などの分野で今でも幅広く使われています。

にかわとは何か

にかわとは何か

にかわとは、動物の皮や骨から作られるタンパク質を主とした物質です。動物の膠質を水に溶解させて作ったゼラチンに比べて、にかわは膠質の濃度が高く、乾いても崩れにくいという性質があります。現在は工業的に製造されていますが、昔は煮こごりなどを使って作られていました。

にかわは、その粘着性から、紙や布の貼り付けや木工などの様々な用途に何世紀にも渡って利用されており、その利用範囲は広く、私たちの生活に欠かせないものです。用途によって、ゼラチンなど他の動物由来のゼラチンより、乾燥させても割れにくいという利点があります。

にかわの種類

にかわの種類

– にかわの種類

にかわは、動物の皮や骨を煮詰めて作った天然の接着剤です。古くから日本や中国などで使われており、仏像の接着や漆器の接着などに使われていました。近年では、接着剤の主流は化学接着剤に移りましたが、にかわは今でも家具の接着や漆器の接着などに使われています。

にかわの種類は、使用される原料によって大きく2つに分けられます。一つは牛皮にかわ、もう一つは魚皮にかわです。 牛皮にかわは、牛の皮を原料として作られます。接着力は強く、水に溶けにくいという特徴があります。魚皮にかわは、魚の皮を原料として作られます。接着力は牛皮にかわよりも弱く、水に溶けやすいという特徴があります。

にかわは、そのまま使うこともできますが、粉末状にして使うこともできます。 粉末状にしたにかわは、水に溶かして使います。にかわを溶かすときは、必ずぬるま湯を使いましょう。熱湯を使うと、にかわの接着力が弱まってしまいます。

にかわは、天然由来の接着剤なので、安全性が高く、環境にも優しいというメリットがあります。また、接着力が強く、水に溶けにくいという特徴もあります。ただし、化学接着剤よりも接着に時間がかかるというデメリットもあります。

にかわの歴史

にかわの歴史

にかわの歴史

にかわの歴史は古く、古代エジプト時代にはすでに使用されていたと言われています。 その後、中国や日本にも伝播し、様々な用途で用いられるようになりました。日本では、にかわは木工や漆器の接着剤として重宝され、特に奈良時代には仏像の制作にも使用されました。平安時代になると、にかわの製造技術が発達し、品質が向上しました。江戸時代には、にかわは庶民の間にも広く普及し、和紙の製造や障子紙の貼り付けなど様々な用途で使用されるようになりました。明治時代以降、にかわは化学接着剤の台頭によって使用量が減少しましたが、それでもなお、伝統工芸品や美術品の修復など、特定の分野では欠かせない接着剤として使用され続けています。

にかわの製造方法

にかわの製造方法

にかわの製造方法は、主にかわの原料となる動物の皮を煮ることから始まります。皮は、まず毛を剃り、脂肪を除去し、小さく切られます。その後、水に浸してアクを抜きます。アクが抜けたら、大きな鍋に入れて煮ます。煮る時間は、にかわの種類によって異なりますが、一般的には数時間から数十時間煮ます。煮ている間に、皮のコラーゲンが溶け出して、にかわになります。

煮た皮からにかわを抽出するため、水を濾し、その後ろに残ったものを布でさらに濾しとります。この工程で不純物が除去され、にかわ液ができあがります。にかわ液は、さらにろ過され、濃縮されます。濃縮されたにかわ液は、固形化されるか、液体状のまま販売されます。

にかわの製造方法は、古くからほとんど変わっていません。にかわの原料となる動物の皮も、昔は牛や馬の皮が主でしたが、現在では豚の皮がほとんどです。これは、豚の皮が比較的安価で、品質も安定しているためです。

にかわの用途

にかわの用途

にかわは、動物の皮や腱、骨などのコラーゲンを主成分とした天然の接着剤です。古くから木工や紙工、製本などさまざまな分野で使用されてきました。

にかわの用途は、木工における接着剤としての使用が最も一般的です。木工では、木材同士を接着するために使用され、接着力が強く、耐水性にも優れています。また、紙工や製本では、紙や布を接着するために使用され、接着力が強く、変色しにくいという特徴があります。

さらに、にかわは食品にも使用されています。ゼラチンや寒天の原料として使用され、プリンやゼリーなどのデザートの製造に使用されています。ゼラチンや寒天は、にかわに含まれるコラーゲンを抽出して作られるため、にかわの成分がデザートの食感に影響を与えています。

このように、にかわは木工や紙工、製本、食品などさまざまな分野で使用されています。その接着力が強く、耐水性にも優れているため、さまざまな分野で使用されているのです。

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