革製品用語解説:化学的酸素要求量とは?【レザー業界用語講座】
革製品を知りたい
革製品の用語にある『化学的酸素要求量』について教えて下さい。
革製品の研究家
化学的酸素要求量とは、水中の被酸化性物質を酸化剤で化学的に酸化分解するときに消費される酸素量をいい、mg/Lの単位で表すことだよ。
革製品を知りたい
水質汚濁の指標として使われているらしいですね。
革製品の研究家
水質汚濁に係る環境基準や水質汚濁防止法による排水基準が定められているよ。
化学的酸素要求量とは。
「化学的酸素要求量」は、革製品の用語ではなく、水質汚濁の指標の一つです。水中の有機物などの被酸化性物質を酸化剤で酸化分解するときに消費される酸素量のことを指します。単位はmg/Lで表され、測定方法はJIS K 0101およびJIS K 0102に規定されています。水質汚濁に係る環境基準及び水質汚染防止法による排水基準が定められています。
化学的酸素要求量の定義と重要性
化学的酸素要求量(COD)とは、水中の汚染物質の量を測定するための指標であり、水中の有機物や無機物が微生物によって酸化される際に消費される酸素量のことです。CODは、水質汚染の程度を評価するために広く使用されており、水質基準としても用いられています。
CODの値が高いほど、水中の汚染物質の量が多いため、水質汚染の程度が高いことを示しています。CODの値は、工場や家庭から排出される排水、河川や湖沼の水、海の水など、さまざまな水質を対象に測定することができます。CODの測定方法は、水試料に酸化剤を加えて加熱し、生成した酸素量を測定する方法が一般的です。
CODは、水質汚染の程度を評価するだけでなく、水処理施設の効率を測定するためにも使用されます。水処理施設では、水中の汚染物質を除去するためにさまざまな処理が行われますが、CODの値を測定することで、処理の効率を評価することができます。
COD測定方法と水質汚染との関係
COD測定方法とは、革製品の生産工程で発生する排水中の有機物を定量的に分析する方法です。CODは、化学的酸素要求量(Chemical Oxygen Demand)の略で、水中に含まれる有機物が微生物によって分解される際に消費される酸素量のことです。COD測定値が高いほど、水中に有機物が多く含まれており、水質汚染のリスクが高くなります。
COD測定は、排水中の有機物を酸化剤(過マンガン酸カリウムなど)で酸化させ、酸化によって消費された酸素量を測定することで行われます。COD測定は、水質汚染の程度を評価したり、革製品工場の排水処理の効率を監視したりするために使用されます。
水質汚染との関係は、COD値が高い排水が放出されると、河川や湖沼などの水域に有機物が蓄積され、水質汚染を引き起こす可能性があります。有機物が分解されるときに酸素を消費するため、水中の溶存酸素濃度が低下し、魚などの水生生物が窒息死する恐れがあります。また、有機物が分解されるときに有害な物質が発生することもあります。
COD測定は、水質汚染の程度を評価するための重要な指標であり、革製品工場の排水処理の効率を監視するためにも使用されています。
革製品製造におけるCOD削減の取り組み
革製品製造におけるCOD削減の取り組み
COD削減の取り組みは、環境保護への意識の高まりと社会からの期待に応えるため、レザー業界でも重要な課題となっています。革製品の製造工程では、革のなめしに使用する薬剤や加工助剤に含まれる有機物が排水に含まれ、水質汚染の原因となります。そこで、レザー業界では、COD削減のためのさまざまな取り組みが行われています。
取り組みの一つは、なめし工程に使用される薬剤の改良です。従来、革のなめしには、クロム塩やアルデヒドなどの化学薬品が使用されていましたが、近年では、これらの薬剤に比べてCODを低減できる新しいなめし剤が開発されています。例えば、植物由来のタンニンを使用した「植物タンニンなめし」や、二酸化炭素を原料とした「超臨界二酸化炭素なめし」などがあります。
もう一つの取り組みは、排水処理技術の改善です。革製品の製造工程では、なめし工程や染色工程などから排出される排水に含まれる有機物を除去する必要があります。従来、排水処理には、沈殿法や活性汚泥法などの方法が使用されていましたが、近年では、より効率的にCODを低減できる新しい排水処理技術が開発されています。例えば、膜分離技術やオゾン酸化法などがあります。
革製品製造におけるCOD削減の取り組みは、環境保護への意識の高まりと社会からの期待に応えるため、レザー業界において重要な課題となっています。新しいなめし剤の開発や排水処理技術の改善など、さまざまな取り組みが行われており、今後ますますCOD削減が進むことが期待されています。
COD削減のための革の廃棄物処理方法
COD削減のための革の廃棄物処理方法
革の製造工程では、様々な化学薬品が使用されます。これらの化学薬品は、革の廃棄物に含まれており、環境に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、革の廃棄物を処理する際には、COD(化学的酸素要求量)を削減することが重要です。
革の廃棄物を処理する方法は、いくつかあります。一つは、焼却処分です。焼却処分は、比較的簡単な方法ですが、ダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があります。もう一つは、埋め立て処分です。埋め立て処分は、焼却処分よりも環境負荷が低い方法ですが、土地を必要とします。
最近では、革の廃棄物をリサイクルする取り組みも行われています。革の廃棄物は、粉砕して革粉にし、肥料や飼料の原料として利用することができます。また、革の廃棄物を化学的に処理して、新たな革製品を製造することも可能です。
革製品の環境負荷を軽減するための取り組み
革製品の環境負荷を軽減するための取り組み
近年、革製品の生産に伴う環境負荷が問題視されています。特に、革のなめし工程では、クロムやアルミニウムなどの有害物質が使用され、それが環境を汚染することがあります。そこで、革業界では、革製品の環境負荷を軽減するためのさまざまな取り組みが行われています。
革のなめし工程で使用する有害物質を削減し、環境負荷を軽減するための取り組みが行われています。その一つが、植物性なめし革の開発です。植物性なめし革は、クロムやアルミニウムなどの有害物質を使用せずに、植物由来の成分で革をなめしたものです。植物性なめし革は、環境負荷が低く、人体にも安全であることから、注目を集めています。
また、革製品の生産工程で発生する廃棄物の削減にも取り組んでいます。革の裁断工程で発生する端切れは、これまで廃棄されていましたが、現在はそれらを再利用して、小物やアクセサリーなどの製品に加工しています。また、革のなめし工程で発生する廃水は、浄化処理によって再利用しています。
革製品の環境負荷を軽減するための取り組みは、まだ始まったばかりです。しかし、革業界では、持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めています。