革製品の用語『乳酸』- 脱灰、ピックリング、鞣し剤として使われる

革製品の用語『乳酸』- 脱灰、ピックリング、鞣し剤として使われる

革製品を知りたい

先生、革製品の用語で乳酸って知ってますか?

革製品の研究家

ああ、乳酸ね。温和な酸として使われることが多いよ。

革製品を知りたい

脱灰剤やピックリングの酸、仕上げ剤の固着剤に使われるって聞いたんですが、具体的にどんな風に使うんですか?

革製品の研究家

脱灰剤としては、石灰で漬けた革を中和して柔らかくするのに使われるよ。ピックリングの酸としては、クロム鞣しをする前の革を酸性にするために使われる。仕上げ剤の固着剤としては、革に仕上げ剤を定着させるために使われるよ。

乳酸とは。

「革製品の用語『乳酸』とは、化学式がCH3CH(OH)COOHの温和な酸のことです。脱灰剤、ピックリングの酸、仕上げ剤の固着剤として用いられ、クロム錯体への配位能が比較的強いことからクロム鞣し時のマスキング剤としても利用できます。CAS番号は50-21-5です。」

乳酸の化学式とその性質

乳酸の化学式とその性質

革製品の用語である「乳酸」は、皮革製造業界では脱灰、ピックリング、鞣し剤として使用される化学物質です。乳酸は、乳酸菌によって糖が発酵したときに生成される有機酸で、分子式はCH3CH(OH)COOHです。乳酸は、無色透明の液体で、酸味とわずかに苦みのある味を持ちます。水に溶けやすく、アルコールにも可溶です。乳酸は、生体内に存在する天然の化合物であり、筋肉のエネルギー源として重要な役割を果たしています。乳酸は、筋肉が酸素不足の状態になると、糖を分解して生成されます。乳酸は、血液中に放出されると、肝臓や心臓に運ばれ、エネルギー源として利用されます。乳酸は、皮革製造業界では、皮革の脱灰、ピックリング、鞣し剤として使用されます。脱灰とは、皮革から石灰分を取り除く工程であり、ピックリングとは、皮革を酸性にする工程です。鞣しとは、皮革を柔らかくし、腐敗を防ぐ工程です。乳酸は、これらの工程において、皮革のタンパク質と結合して、皮革を柔らかくし、腐敗を防ぐ働きをします。

革製品用語における乳酸の意味と用途

革製品用語における乳酸の意味と用途

革製品用語における乳酸の意味と用途

革製品用語における乳酸とは、有機酸の一種で、無色透明の液体です。乳酸は、乳製品や野菜、果物など、様々な食品に含まれています。革製品の製造工程では、脱灰、ピックリング、鞣し剤として使用されます。

脱灰とは、革を柔らかくするために、石灰や水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤で処理する工程です。この工程で、乳酸はアルカリ剤を中和し、革のpHを調整する役割を果たします。

ピックリングとは、革を酸性の溶液に浸して、タンパク質を分解する工程です。この工程で、乳酸は革のタンパク質を分解して、繊維状にします。繊維状になった革は、柔らかく、柔軟性が増します。

鞣しとは、革を動物の皮から革製品に変える工程です。この工程で、乳酸は鞣し剤として使用されます。鞣し剤は、革のタンパク質と結合して、革を柔らかくし、耐久性を持たせます。

乳酸は、革製品の製造工程において重要な役割を果たしています。乳酸を使用することで、革を柔らかくし、柔軟性と耐久性を向上させることができます。

脱灰剤としての乳酸

脱灰剤としての乳酸

脱灰剤としての乳酸

革の脱灰の過程では、乳酸を脱灰剤として使用します。タンニン鞣しやクロム鞣し、コンビ鞣しなどのさまざまな鞣し方法において、使用される脱灰剤として乳酸は非常に優れています。乳酸は革の表面を傷めることなく、革の灰分を効果的に除去するからです。革の灰分とは、革の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分の総称で、脱灰処理によって除去されます。乳酸による脱灰処理は、革の柔軟性と弾力性を高め、膨潤性を付与し、滑らかで均一な表面を作り出します。乳酸は革のタンパク質と結合して革の強度を高め、革のしなやかさを保つ働きがあります。

ピックリングの酸としての乳酸

ピックリングの酸としての乳酸

ピックリングの酸種として、乳酸がよく用いられます。乳酸は、シュウ酸、硫酸、ギ酸とともに、革の柔軟性と伸展性を高めるために使用される酸の一種でもあります。ピックリングとは、コラーゲンの繊維を膨潤させ、柔軟性を高めるために、革を酸性の溶液に浸す工程です。乳酸は、特に、薄い革や、ソフトな感触の革を作るために使用されます。乳酸は、皮革の繊維を緩め、柔らかくなめらかにします。また、乳酸は、革の表面を滑らかにし、染色しやすくします。乳酸によるピックリングは、革の色を明るく、均一に仕上げる効果もあります。

仕上げ剤の固着剤としての乳酸

仕上げ剤の固着剤としての乳酸

乳酸は、革製品の仕上げ剤の固着剤としても使用されます。革製品は、動物の皮膚をなめして作られますが、なめす過程で、革の繊維を緩めて柔軟性を高めるために、乳酸が使われます。乳酸は、革の繊維に浸透して、繊維を柔らかくするとともに、革の表面に塗布される仕上げ剤との接着性を高めます。仕上げ剤は、革の表面を保護したり、光沢を与えたりするために使用されるもので、乳酸は、これらの仕上げ剤が革にしっかりと固着するのを助けます。

乳酸は、革製品の製造において、脱灰、ピックリング、鞣し剤、仕上げ剤の固着剤など、さまざまな用途で使用される重要な添加剤です。

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