革製品の用語『耐熱性』とは?

革製品の用語『耐熱性』とは?

革製品を知りたい

革製品の用語で耐熱性というのがあるようですが、どういう意味ですか?

革製品の研究家

耐熱性とは、革が熱に対してどのくらい強いかを示す性質のことです。革を加熱すると、革タンパク質の分子構造が崩壊してゼラチン化したり、繊維が収縮や変形したりします。耐熱性は、このような変化が起こりにくい革であるほど高くなります。

革製品を知りたい

耐熱性は、鞣しの度合いによって影響を受けるのですか?

革製品の研究家

はい、鞣しの度合いによって耐熱性は大きく影響を受けます。クロム鞣し革が最も耐熱性が高く、植物タンニン鞣し革やアルミニウム鞣し革は耐熱性が低くなります。耐熱性は、革製品の製造時に重要な性質であり、靴の製造時、甲部の釣り込み成型などで重要な性質です。

耐熱性とは。

革製品の耐熱性とは、革を加熱したときの性質、大きさ、特性、見た目の変化のしにくさの程度を指します。革タンパク質は、加熱すると一定の温度でタンパク質が変性したり、繊維が縮んだり、変形したりする性質を持っています。この温度を液中熱収縮温度(Ts)といい、革の耐熱性はTsに関連しています。皮革の耐熱性は水分量の変化によって大きく変化し、水分量が増えると低下する傾向があります。クロム鞣し革は、湿潤状態でも耐熱性が落ちにくく、耐熱性(特に湿潤耐熱性)は鞣しの程度によって変わるため、重要視されています。例えば、生皮のTsは53~67℃程度であるのに対し、クロム鞣し革では100℃以上になることがよくあります。また、鞣し剤の種類によってもTsは大きく異なりますが、クロム鞣し革のTsが最も高いです。乾燥状態では、鞣しの種類に関係なくTsが高くなります。皮革製品の水分量は、標準状態(相対湿度65%、温度20℃)で皮革製品の水分量は約14~15%で、このような状態の耐熱性は靴の製造時、甲部の釣り込み成型などで重要な性質です。乾燥時の耐熱性を評価するための試験法が乾燥熱試験があります。また、湿潤状態での耐熱性は、液中熱収縮温度としてJISK6550:1994で決められています。ISO3380:2002でも同様の試験があり、100℃までの測定が決められています。乾燥時の耐熱性を評価するための試験法としてJISK6543:1995があります。パテントレザーについては、ISO17232:2006の規格があります。

耐熱性とは何か?

耐熱性とは何か?

耐熱性とは、高温下にさらされた場合の材料の抵抗性を指す用語です。 革製品の耐熱性は、革のなめしや加工方法によって決まります。一般的に、クロムなめし革は耐熱性に優れていると言われています。クロムなめし革は、クロム塩を使って革をなめす製法で作られており、熱に強い性質を持っています。また、革の厚さも耐熱性に影響します。厚い革は、薄い革よりも耐熱性に優れています。

革製品を高温下で使用すると、革が変色したり、硬くなったり、ひび割れたりする可能性があります。特に、直火や高温の蒸気にさらされると、革がダメージを受けやすくなります。そのため、革製品を高温下で使用するときは、注意が必要です。

革製品の耐熱性を高めるためには、耐熱性に優れた革を使用したり、革製品に耐熱加工を施したりすることが有効です。 耐熱加工には、フッ素樹脂加工やシリコーン加工などがあります。フッ素樹脂加工は、革の表面にフッ素樹脂をコーティングする加工方法で、革製品の耐熱性や撥水性を高めることができます。シリコーン加工は、革の表面にシリコーンをコーティングする加工方法で、革製品の耐熱性や柔軟性を高めることができます。

耐熱性に影響を与える要素

耐熱性に影響を与える要素

耐熱性とは、熱に対してどれだけ抵抗力があるかを表す指標であり、革製品においても重要な要素です。耐熱性に影響を与える要素には、使用する革の種類、なめし方法、仕上げ方法などがあります。

まず、使用する革の種類によって耐熱性は異なります。耐久性が高く、熱に強い革としては、牛革や馬革などが挙げられます。一方で、豚革や山羊革は熱に弱い傾向があります。

また、なめし方法によっても耐熱性は変化します。耐熱性を高めるためには、クロムなめしやコンビなめしが効果的です。クロムなめしは、耐熱性に優れているだけでなく、耐久性や耐水性にも優れているため、様々な革製品に使用されています。コンビなめしは、クロムなめしと植物なめしを組み合わせたもので、クロムなめしの耐熱性と植物なめしの柔軟性を併せ持っています。

さらに、仕上げ方法によっても耐熱性は変わります。耐熱性を高めるためには、オイル仕上げやワックス仕上げが効果的です。オイル仕上げは、革に油を浸透させることで耐熱性を高める方法です。ワックス仕上げは、革にワックスを塗布することで耐熱性を高める方法です。

これらの要素を考慮することで、耐熱性に優れた革製品を選ぶことができます。耐熱性に優れた革製品は、火のそばや高温の環境でも使用することができるため、様々な場面で活躍します。

革の耐熱性を上げる方法

革の耐熱性を上げる方法

革の耐熱性を上げる方法とはいうものの、革は熱に弱く、高温にさらされると変形したり、焦げたりする可能性があります。そこで、革の耐熱性を上げ、製品の耐久性を向上させる方法をご紹介します。

まず、革製品を高温から遠ざけることが最も重要です。これは、高温になる場所(ストーブやコンロの近く、直射日光が当たる場所など)を避け、使用時は十分に注意することが大切です。

また、革を防水スプレーで処理することも有効です。 防水スプレーは革の表面に保護膜を形成し、水分や汚れを弾くことで、革の劣化を防ぐ効果があります。防水スプレーは、革製品を購入したらすぐに、また、定期的に塗布することがおすすめです。

さらに、革を定期的にメンテナンスすることも重要です。 革は、使用していくうちに汚れや油分が蓄積し、劣化していきます。これを防ぐために、革製品を定期的にメンテナンスしましょう。メンテナンス方法は、革の素材や状態によって異なりますが、一般的には、乾いた布で汚れを拭き取ったり、革専用のクリームを塗ったりすることがおすすめです。

革の耐熱性を上げることは、革製品の耐久性を向上させるために重要なことです。高温から遠ざけたり、防水スプレーで処理したり、定期的にメンテナンスをすることで、革を保護することができます。

耐熱性の高い革の種類

耐熱性の高い革の種類

耐熱性の高い革の種類

革の種類によって耐熱性は異なるため、用途に応じて適切な革を選ぶことが大切です。耐熱性に優れた革には、以下のようなものがあります。

* 牛革 耐熱性に優れ、比較的安価な牛革は、様々な用途に使用されています。
* 馬革 牛革よりも耐熱性が高く、耐久性にも優れていますが、価格も高くなります。
* 豚革 牛革よりも耐熱性が低くなりますが、しなやかで肌触りが良いのが特徴です。
* 羊革 牛革よりも耐熱性が低く、薄くて柔らかいのが特徴です。
* 鹿革 耐熱性に優れた鹿革は、強度も高く、耐久性にも優れています。
* 羊革 耐熱性が低くなりますが、非常に柔らかく、肌触りの良い革です。

耐熱性の低い革の種類

耐熱性の低い革の種類

耐熱性の低い革の種類

耐熱性の低い革とは、熱に弱い革のことです。熱に弱いと、熱によって革が変形したり、ひび割れたり、焼けてしまったりする可能性があります。

耐熱性の低い革の種類としては、ヌメ革、スエード、ベロアなどが挙げられます。ヌメ革は、植物タンニンでなめした革で、革本来の風合いを活かした革です。スエードは、革の裏面を起毛させた革で、やわらかい手触りが特徴です。ベロアは、スエードよりも起毛が長く、より高級感のある革です。

これらの革は、熱に弱い性質があるため、高温になる場所での使用には適しません。ストーブの近くや直射日光の当たる場所での使用は避け、また、熱湯をこぼしたり、火の粉が飛んだりしないように注意が必要です。

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